書評

(DVD)キム・ギドク「春夏秋冬そして春(無修正版)」

物語と映画技法が一体化した見事な作品。ただし、あまりに完璧にできすぎていて、かえって私はそれほど惹かれなかったが。しかし、これが傑作であると言う事実には代わりがない。 物語は、水上の寺院を舞台に、タイトル通りに主人公の人生を四季になぞらえて…

新宮一成「ラカンの精神分析」

薦められることの多い著作の割には、かなり怪しいラカン。日本の学者にありがちな、分かりやすい説明をする気のない、読者を煙に巻く解説書。鏡像段階理論なんて、しょせん初期のラカン理論なので、かなり図式的に説明することができる。しかし、そうした分…