認知科学

神経哲学は用語が理解しにくいな(同一ブログからの引用ばっかり篇)

「ビルディング・ブロック・アプローチ」は、意識野全体を独立した意識の構成単位から成ると考え、特定の意識体験に関するNCCを見つけようとします。ただ、このアプローチにはちょっとやっかいな性質(問題点)があるそうです。それは、無意識的な主体が知覚…

意識研究の系譜と認知科学の系譜

「ノーベル賞科学者のアタマの中―物質・生命・意識研究まで」ASIN:480671187X*1を読むと、意識研究の系譜と認知科学の系譜は分けて考えた方がいいなと思う。意識研究はシュレジンガーあたりからクリックやペンローズなどを経る伝統があり、自然科学系のノー…

生成文法概観

標準理論(チョムスキー1965) 句構造規則 語彙 ↓ ↓ 深層構造 ↓ 変形要素 ↓ 表層構造 ↓ 音韻化

アマゾンのコメント付リストマニアと認知系言語研究の行く末

生成文法の入門書 http://www.amazon.co.jp/gp/richpub/listmania/fullview/R29X5RM1874SCN/ref=cm_lm_detail_ctr_full_2/249-6073413-7246757 「認知言語学研究の必携書」 http://www.amazon.co.jp/gp/richpub/listmania/fullview/WMRVAY9Q1RGX/ref=cm_lm_d…

認知言語学概観

認知意味論の原理 概念構造は身体化されている 意味構造は概念構造である 意味表象は百科事典的である(意味の辞書的定義との比較) 意味構築は概念化されている(それぞれの概念空間に対応している)

不毛な生得-経験論争

最近、フェミニズム系ブログや進化心理学系ブログで生得-経験論争を目にすることが多かった。正直な感想は「不毛」、お互いに議論がすれ違ってお話にならない。進化心理学系の人はフェミニズム系の議論に自然主義的誤謬だのと批判することが多いが、私からす…

あまりに便利な脳解説サイト「脳の世界」

脳の世界:京都大学霊長類研究所・行動発現分野 http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/brain/brain/index.html 脳解説サイトとしては完璧だ。説明領域は広いし説明文は分かりやすいし。これを知らなかったのは不覚。 それにしてもここで紹介されてる作業記憶の実験…

ミーム概念への妥当な理解と脳科学の社会化

私はミームという概念に感心したことはない。何が納得いかないって、進化からの類推で考えると、何が伝えられて何が淘汰されるのかその単位がはっきりしない。進化論の場合は、遺伝子(ジーン)が子(社会生物学によれば親類も含む)に伝えられて(もちろん突然変…

下らないアフォーダンス批判

アフォーダンスが自由意志と関係しているから批判するという話があるらしいのをネット上で読んで、相変わらず日本は議論のレベルが低いなと思った。アフォーダンスは因果論とは無関係だし、そもそもギブソンは知覚の因果論に対して批判的だ。因果論とは無関…

海外の認知科学者の有益な個人ページのリンク集

私のブラウザのお気に入りに入っていたサイトと新たに調べたサイトを合わせたリンク集です。単なる研究者の紹介サイト(結構多い)は除き、有益な情報や論文の入手ができるサイトだけにしてます。ただし、私が得意でない神経科学系のサイトは少ないです。以…

人類学と認知言語学との幸福な結びつき

Edwin Hutchins (in press) Material Anchors for Conceptual Blends http://hci.ucsd.edu/hutchins/vitae/Publication-links.htm Fauconnier, Gilles and Mark Turner. to appear.“Rethinking Metaphor.” http://cogsci.ucsd.edu/~faucon/publications.html…

脳の研究法(心理学寄り)についてのメモ

臨床と実験(破壊、刺激、記録) 非侵襲的方法の特徴(isbn:4061534335) 「コンピュータ断層法(CT)」1970年代にイギリスのG.H.Hounsfieldが開発、X線画像とコンピュータによる画像解析を組み合せた 「磁気共鳴断層法(MRI)」電磁波をとらえる、造影…

認知革命の意義とはなんだったのか

現実観察から得た初期条件(周辺条件)をモデルに入力すると、一定の出力変数が得られて、それが現実観察から得られたデータに合致する場合に、モデルは「現実適合的」だと評価される。現実適合的なモデルは、現実の説明・予測・制御に用いることができる。 …

日本での認知科学の学術プロジェクトによるサイトの紹介

どれも数年前からやってる学術プロジェクトなようだ。進化心理学関連の研究や話題ばっかりなのはやっぱり外国の流行に乗ってるってこと?。サイト内を良く探すといろいろな論文や資料のPDFがいっぱいある。ただし学術的なので素人には読みにくいことこの上な…

脳へのダイナミック・アプローチってどうなの?

RIKEN BSI NEWS No. 24 May 2004 脳磁図:非侵襲的手法で探る、ヒトの脳機能 http://www.brain.riken.go.jp/bsi-news/bsinews24/no24/special.html テレビなどのマスコミで紹介される脳科学にうんざりしてるときに、こういう日本でのマトモな研究を見るとほ…

認知科学の教育への応用に関する一考察

「eラーニングの土台:行動主義、認知主義、状況主義学習論とその統合」発表原稿(PDF) http://kogolab.jp/cgi/joyful/img/94.pdf (http://kogolab.jp/mt/) まず始めに言いたいことは、状況論はそのもとにかえって考えると学校教育への応用はできない、少…

認知科学史上の重要文献トップ10の紹介

ミレニアム・プロジェクトのトップ10の紹介 1:チョムスキー「文法の構造」(1957) 生成文法で有名。まさに認知科学という分野を作り上げた、といっても過言でないほどの画期的な理論。第一位は当然です。 2:マー「ヴィジョン」(1982) 網膜上の二次元を三次…

他人の公開してるレジュメを勝手に使った姑息なエントリー

村山 航 (Murayama Kou) のWeb Site http://www4.ocn.ne.jp/~murakou/index.html 心理学の院生のホームページらしいです。便利な資料が一杯、ただし専門知識がないと読みにくいが。一般の人は「心理学のページ」のオススメ本紹介がお薦めです。俺はちょっと…

2chの認知系スレをネタにして暇つぶしなエントリー

認知心理学スレ http://zinbun.denpark.net/1003367476.html ちょっと古いが2chにしちゃ読めるスレですな。私は2chなど読まないが検索で出たんで見てみた。日本でネット上にはびこる下らんホームページやブログよりはよっぽどマトモ(たいてい突っ込む価値さ…

サッチマン「プランと状況的行為」とエスノメソドロジーの本質

皆川満寿美「ラディカル・リフレクシヴィティとエスノメソドロジー」 (http://e-lib.lib.musashi.ac.jp/Elib/S1/005/001.html)。ネット上で全文が読めることが信じられないくらい、エスノメソドロジーに関する論文としては素晴らしい。ただし、実際の分析で…

認知科学における哲学的問題の列挙

認知科学ではホッブスやデカルトからの西洋近代哲学の伝統とその批判が繰り返されている面がある。それを理解しないと安易な罠にはまることになる。

アフォーダンス関連の翻訳と引用から

まずは、ジェイムス・ギブソンの主著の一部を自分で翻訳(これでも意訳気味)してみました。 まとめ 媒体、物質、表面、対象、場所、他の動物はある動物に対するアフォーダンスを持っている。それらは、利益や危害を与えたり、生や死を与えたりする。これこ…

アフォーダンスと脳科学

だいたいまともな科学的思考の持ち主なら、アフォーダンス概念なんて安易に受け入れられるわけがない。私もアフォーダンスが生物学の概念というならまだ納得もいくが、すでに一流の有能な知覚心理学者が考え出したというあたりがさっぱり分からない。生物学…

新たな認知科学年表を作成してます

今現在、以前作った認知科学年表(http://d.hatena.ne.jp/deepbluedragon/20050729/p1)の増補版を英語原典版と共に作成している。主に参照しているのはThe Cognitive Science Millennium Project(http://www.cogsci.umn.edu/OLD/calendar/past_events/millenn…

ウィキペディアの認知科学に関連した項目

ネット上のフリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)なんてまじまじと見たことなどなかったけど、認知科学関連の項目はネット上で手に入る情報の中でも出色なようだ。以下でちょっと文句も言っているが、とはいえ自分で説明を書き込むほどの自信はない。そ…

アフォーダンスという概念の意義がいまだに見出せない

はっきり言わせてもらうと、未だにアフォーダンスとは何かがあまり理解できない。辞書的な定義ならはてなキーワードにもある。でも、そんなの知ったって分かったことにはならない。なぜアフォーダンスという概念が必要かが分からないといけない。

認知心理学における英米系と大陸系

「限界の思考」ISBN:490246506X英米系と大陸系と言う話があった。そういえば、認知心理学の理論にも英米系と大陸系がある。そして、その特徴も「限界の思考」で挙げられていた社会学理論の特徴とそっくりだと思った。理論における英米系と大陸系の違いは結構…

私が主流の進化心理学に期待しない理由

現在の主流の進化心理学は社会生物学の系譜にある。テュービー&コスミデスによって創始され、ピンカーによって宣伝された分野だ。しかし、面白いとは思うしそれなりの成果もあることは認めるが、私にはあまり可能性は感じられない。理由は簡単だ、古生物学…

認知科学とは何か

ネット上をのぞくと、認知科学とは何かがあまり理解されていないような気もする。日本の認知心理学の大御所、波多野誼余夫先生による認知科学の説明にリンクしておきます(http://www.kawai-juku.ac.jp/prof/ninchi/ninchi-hatano.html)。ようするに、人の心…

認知科学系のサイトのリンク集(その2)

認知科学ネタばかりですみません。普通に読める記事もまだ手元にはあるのでもう少しお待ちください。でも、認知科学も久しぶりに触れてみるとちょっと面白い。でもまあ、研究者(院生)になっていない時点ですでにやる気が無いともいえる。科学なんて地道で…