樋口一葉「にごりえ」の朗読を聴く

http://www.voiceblog.jp/kotoba/37781.html
樋口一葉にごりえ」の朗読です。冒頭を聴いたが、お薦め。まるで日本昔話を聴いているような心地よい感じがいいですね。素晴らしいです。ちなみに、私個人は落語風を想定して読んでます。そういえば、一葉は東京の下町の出身だったような。
日本文学を語り口から捉えられた面白そうです。ついでに私の好みでは、「源氏物語」とか「世間胸算用」とか(ちなみに「日本永代蔵」の口調は俳句的でちょっと硬い)。物語内容と違って客観的に研究しづらいのが欠点ですが、そういう生きた文学こそが必要だと思います。そういう点からは、やっぱり日本の現代詩のほとんどはまずいと思う(荒川洋治という例外は貴重)。日本近代文学の伝統を脱するためにはそういう翻訳不可能な魅力を持たないといけないだろうと。表面的に愛国心とか言ってるよりも、こういうことやる方がよっぽど重要だと思うのだが。
おまけで、認知科学からの参考文献を挙げておきます。編者の茂呂雄二は、私が学生時代に影響を受けた人でもあります。この本の中では特に、日本語の会話におけるリズムを扱ったザトラウスキーの論文がお薦めです。

対話と知―談話の認知科学入門

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