蒼龍のメディア論的おしゃべり

Arational Agentの神経倫理学日記 2006年7月2日 http://members3.jcom.home.ne.jp/0129349201/
コメント欄でお知らせしてもらったのでリンクしときます。ここで紹介されているサイトの中でも、社会心理学からの解説である『メディアの影響』はとてもいいですね、必読。ただ後半がちょっと誤解を与えそうな書き方ですが。現在はっきりといえるのは、暴力表現の聴取が特定の条件下では視聴者の暴力的行動傾向を高める、という短期的影響。これは心理学実験の研究からもはっきりと分かっている(『「ゲームが人を暴力的にする」は支持されつつある』は短期的影響のこと)。この点では悪影響はある(本当はどういう条件で暴力傾向が喚起されるのかが重要なのだがそれはとりあえず置いとく)。長期的には因果関係は分からないにしても相関関係はあるらしい。そこで採られる説の一つが「社会的学習説」であると説明されている。
ここで脱線すると、暴力映像がたくさん見れる社会だってことは、その社会は暴力行動を容認気味だと言えるが、ってことは、暴力映像によって暴力行動の「社会的学習」が促進されて、ますます社会における暴力行動は容認方面へ…ってこれじゃ循環論ですよね(メディアと社会状況とが直接リンクしてるから暴力映像だけ減らすのは無茶だし効果もなさそう)。ここで話を変えればいい。社会に流通するメディア一般を規制すべきって話よりも、まず暴力映像を見ない権利や見せない権利を論じた方が吉かと。子どもへのメディアの悪影響はあるかもしれませんが*1、結局は子どもにメディアとどう関係させるかは親の責任の問題じゃないですかね。あまり家庭の問題に口を挟みすぎるのはどうかと。ただし論じなくていいってことじゃない。法的(または政治的)な介入は余計なお世話な気もする。ここら辺は私には知識がないので何とも言いづらいですが(私に分かるのはせいぜいミクロ社会学関連)。

*1:常識的に考えても幼いころからテレビやゲームばっかリやってたらダメそうに思える。脳科学の助けは必要ない。ただしテレビやゲーム一般への批判にはつながらない(大人は自分の責任でやれと)。