サイバネティクス再来?

去年の終わりごろに意識と脳に関する本が何冊か出たが、中に目を通してみると似たようなことが話題になっているのに気がついた。以前ここで紹介した現象学者ロイド、進化心理学で有名なハンフリー、脳研究の大御所エーデルマン。みんな脳の再帰的ネットワーク、つまりニューロン同士だけの閉じたつながり方、が問題になっていた。意識の流れを見るのであれ、感覚のクオリアを見るのであれ、意識のコアを見るのであれ、ニューロンが自分自身の状態を入力とする自己言及性が解決の糸口にされていたのだ。
再帰性とか自己言及性とかといえば、フィードバックを重要視したサイバネティクスを思い出す。実際にサイバネティクスに関わった神経学者マカロックがニューロンネットワークのフィードバック構造を問題にしていたことがあったようだ。とはいえ、私のサイバネティクスの知識は解説レベルを全く超えないのでこれ以上のことは分からない。サイバネティクス関連で原典(翻訳)できちんと読んだのはグレゴリー・ベイトソンだけというテイタラク。やっぱり勉強し直さなくちゃダメだろうか。認知科学なんて因果なものに関わっていると勉強しなきゃいけないことが次から次へと現われて切りがないからほんとに困る。