神成淳司について調べてみる

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神成淳司(PHPの人名辞典の記載) http://www.php.co.jp/fun/people/people.php?name=%BF%C0%C0%AE%BD%DF%BB%CA
宮台真司のブログで紹介されていたので、検索して調べてみた。う〜ん…正直なところ論文を読んだだけじゃ良さが分からない。やっぱりこの人は実務系としてすごい人なのかもしれない。私には今のところ評価不能だ。で、ネット上で手に入った論文の紹介。
社会におけるAI研究 http://www.jaist.ac.jp/jsai2006/program/person-528.htmlから
この前にこのブログでコメントをもらった記事に書いた一次観察と二次観察に関係する論文なのは分かる。AI研究プロジェクトの手法や方法論が研究者個人だけの手にあるままじゃもったいないから、手法や方法論に関する研究(これが二次観察)が発表できる場が必要だと主張されて、そうした研究の例としてケース・スタディ研究の導入が提示されている。言われていることはもっともです、としか言いようがない。ケース・スタディ研究は質的研究にならざるを得ないが、おそらくここに大きな障害があるだろう。私自身は社会科学や認知科学のそうした論文や著作(例えばフィールドワーク研究)とかを読むので余計にそう思う。正直言うと、そういうのは人類学の人とかを呼んで学際的にやった方がいいと思う。AI研究の片手間でできるほど、質的研究は甘いもんじゃねぇよ(二次観察じゃ余計無理)。
災害時における携帯端末を用いた効果的な避難誘導に関する考察 http://www-kasm.nii.ac.jp/jsai2004_schedule/person-80.htmlから
いや〜、つまんなくはないですよ。でも似た感じの実験は心理学論文(認知地図か目印か)で読んだことあるので感心しない。だいたい実験計画の立て方なんて心理学者には所詮勝てない。文字と地図との誘導で同じような効果が出たようだが、それって論文にある図を見ると、地図には目印がなくて見にくいとか、文字による説明がうまいとか、そういうことが原因なんじゃないのか。もうちょっと考えて実験計画を立てたほうがいいと思う。そういえば、エスノメソドロジーを用いた似た研究もあってその書評もここで書いたことあるし→「モバイルコミュニケーション-携帯電話の会話分析-」。つくづく思うことは学際的に協力すればもっと効率よく研究できるんじゃないのってことだ。日本じゃみんなしてある領域で閉じてやってるから恐ろしく効率が悪いんだよね。何とかなんないのかな〜??