認知科学の意義について雑感

認知科学史に関する非常に粗雑な概説 http://mindnoises.blog109.fc2.com/blog-entry-14.html
とても有益な記事だと思ったのでリンク。後はこれを読んでいて思ったことをつれづれと
自分でこんな認知科学なブログを書いていてなんですが、そもそも認知科学なる領域なり分類は今でも存在すると言えるのか、言えるとしても認知科学なるものの範囲はどこまでなのか、ときどき分からなくなります。リンク先の記事でも紹介されているミレニアム・プロジェクトや(故)波多野誼余夫らによる編集本などが参考になるとはいえ、今では関連研究にあまりに多くの領域が関わってしまい収集がつきません。最近流行った進化心理学は、認知科学から派生したはずなのに、私からは認知科学に関連があるとはどうして思えない話も多くて首をかしげることがある。今や認知科学には関連領域や派生領域が多すぎる。
まあ、私自身は認知科学の目的と考え方が生かされてさえいればあまりこだわりはない。その点が守られていれば、認知科学の領域そのものがなくなっても悔いはない。でも、歴史的蓄積があるのは強いとか、学際的なコミュニケーションの場としては必要だとか、還元主義から身を守るためにもあったほうがいいとか、認知科学の領域があった方がいい理由はいろいろ見つかる。私が惚れ込んだのは認知科学の(異端を含む広義での)パラダイムであり、これより納得が行くものは未だに見たことがない。日本には認知科学関連の一級の研究者が結構いるのに、認知科学の考え方や成果が一般に知られていないのはとても残念なことだと思う。私がこんな面倒なブログをなんとか続けていられるのはそう思っているからかもしれない。