モンティ・ホール問題と認知的不協和(前回の続き)

モンティ・ホール問題とは次のような問題である。まず自分で解いてみてから、先に読み進んでください。

問題は次のようなものである。

プレイヤーは、三つのドアを見せられる。ドアの一つの後ろにはプレイヤーが獲得できる景品があり、一方、他の二つのドアにはヤギ(景品がなく、ハズレであることを意味している)が入っている。ショーのホストは、それぞれのドアの後ろに何があるか知っているのに対し、もちろんプレイヤーは知らない。
プレイヤーが第一の選択をした後、ホストのモンティは他の二つのドアのうち一つをあけ、ヤギをみせる。そしてホストはプレイヤーに、初めの選択のままでよいか、もう一つの閉じているドアに変更するか、どちらかの選択権を提供する。プレイヤーは、選択を変更すべきだろうか?

モンティ・ホール問題の解法はこう考えると分かりやすい。
始めに選んだドアによって分岐させた図を描くと

当たり →一方のハズレのドアを開ける→選択はそのままが良い
ハズレ1→他方のハズレのドアを開ける→選択を変えるのが良い
ハズレ2→他方のハズレのドアを開ける→選択を変えるのが良い

重要なのは、始めに当たりのドアを選んだときに、その後でどちらのハズレのドアを開けるかは重要でないことだ。だから、選択を変えるのが良いという直感から外れた結論が導き出される。
しかし、誤りが指摘された実験では、最初の選択肢が二つしかない。モンティ・ホール問題では最初の選択肢が三つであり、だからこそその後の選択による確率が変化したのだ。もし、猿の色の選択に好みがあることが前提なら誤りの指摘は正しい。しかし、どの色も同じように選ぶことが前提なら、誤りの指摘はおかしい気がする。
実験者が三つの色から猿の嫌いな色を当てるとする。実験者が選んだ色は最初は猿には提示されないで、猿は最初の二つの提示された色から嫌いでない色を選ぶ。「好きな色を食べる」=「ハズレのドアを開ける」にすると、確かに同型の問題になる。

嫌いな色 →一方の好きな色を食べる→(猿が残す色)前回と違う選択が嫌いな色
好きな色1→他方の好きな色を食べる→(猿が残す色)前回と同じ選択が嫌いな色
好きな色2→他方の好きな色を食べる→(猿が残す色)前回と同じ選択が嫌いな色

しかし、もし猿に色の好みがないこと(つまりは選り好みしない色を使う)のだったらどうだろう。初めから当たりのドアが決まっているのではないことになるのだから、誤りの指摘はどこかおかしいことになる。
しかし、あのダニエル・ギルバートが自分で計算して指摘を正しいと認めているのだから、やっぱりDr. Chenの指摘が正しくて、やっぱり認知的不協和の実験としては間違っているのだろうか。実験対象の猿に色の好みがないことを調べてない(つまり選り好みしない色を選ぶ準備実験をしてない)からダメっていうならまだ納得がいくのだが。
誰かコメント欄に意見を書いてくれるとうれしいです(話がマニアックすぎてまともに答えられる人は少ないかな?)。というか、こんなことに時間使ってていいのか、自分!