文化的進化のメカニズムとしての制度:疫学的アプローチへの展望(要旨だけ)

原文:"Institutions as Mechanisms of Cultural Evolution: Prospects of the Epidemiological Approach" Christophe Heintz
http://www.citeulike.org/user/cheintz/article/1841076(PDFへのリンクあり)
要旨の訳
文化的進化の研究の部分として制度を調べることで、文化的進化のとても重要なメカニズムを分析するように促がされる。制度は文化的変異を人々に流通させる。また、それは文化的進化の最近の研究をさらに伝統的な社会科学の分野に結びつけることを可能にしている。マクロな社会的実体としても見られる制度は、構成要素であるミクロ現象の点から分析される。この記事では、制度へのスペルベルの特徴づけを紹介し、それが適用されるいくつかの現象に対してヒントを与える。
文化は認知的な因果の鎖の出現を通して進化し、その鎖が個々人とその環境に及んで心的表象と人々の公的産物と慣習を流通させる。制度は表象を流通させる特別な因果の鎖によって特徴付けられる。それらの鎖は一連の出来事の再現を起こす表象を含み、それが属する一連の表象の流通を調整する。文化的現象は制度であると言うことは、理論的枠組みからは、文化的現象の部分である表象とはそれが持続するような源であると説明することである。
この技術的な特徴づけが、結婚からお金に至るたいていは制度として理解されているものに適用できる。文化的環境(ニッチ)の維持や労働の分配のような文化的進化における複雑な現象の分析のための方法が、それによって開拓されもする。