統一された心理学?

A Unified Psychology? http://scienceblogs.com/mixingmemory/2006/11/a_unified_psychology.php(英語のブログです)
日本では認知革命の意義が理解されないとずっと不満に思ってきたが(認知科学は欧米じゃ既に一般的なのに…)、アメリカでも似た事情はあるようだ。上記のリンクで言われているように、心理学は統一されなくて結構と言うのは分かる。脳科学進化心理学による心理学の自然科学化の試みは傲慢のきわみだ*1。これじゃ行動主義の二の舞だ。心理学の不確実さを自然科学の確実さで何とかできるわけがない。認知革命のすごいところは、人文系も科学系も工学系も全て巻き込んでいろいろやってしまったことだ。はっきり言ってしまうと、認知科学は文系とも理系とも言いがたいところがある。別に認知科学にこだわる必要はないけれど、自由な領域横断的な研究をするには統合なんて気にしない方がいいかもしれない。でも、認知科学は(賛否には関わらずとも)コミュニケーションの基盤には悪くないと思うが*2

*1:進化論は科学理論じゃないみたいなバカは放っておく。ネオ・ダーウィズムにはいろいろ修正が必要だけれど、様々な証拠が進化論は正しいと言っていることに変わりがない。

*2:とはいえ、認知科学とかに関係なく、日本にいる限りたいていの学際研究は困難だろう。せいぜい他分野の成果を勝手に都合良く解釈したり悪口を言ったりしているのが限界だ(せめて好意的に理解するところから始めたらどう?)。日本はそれぞれの領域が閉じて勝手にやっている。まぁ、日本は昔からずっとそんなところだけどさぁ…