2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

上の書評は一年以上前に書いてお蔵入りだったもの

after the 永井均 http://d.hatena.ne.jp/MonicaLewinsky/ 言語ゲームについてネット上で調べていたら見つけましたのでリンクしておきます。ちなみに、永井均の思考法はどこまで言っても分析哲学的なので、その辺りから突付けばボロは確かに出る(実際、私は…

永井均「これがニーチェだ」

誤解のないように始めに指摘しておこう。永井均は現代の日本では珍しい、本物の哲学者であるということだ。日本には哲学に関連した著作はたくさんある。にもかかわらず、哲学者と呼ばれるにふさわしい人物は少ない。たとえば、木田元は第一級のハイデガー研…

はてなキーワードの認知科学の項

はてなキーワードの認知科学の項*1にサガードの説明から短い引用の翻訳を載せてみました。まあ、その割に大した文章でもないのですが。ちなみに、英語のウィキペディアの認知科学の項には、ここで挙げられている学問分野以外に生物学も付け加えられている。…

私の進化心理学への不信の理由

社会生物学系の進化心理学を私が好きのなれない理由の一つとして、人間が人間を扱うときに生じる循環や再帰性に対して鈍感なせいがあるかもしれない。人間以外の生物を扱っている限りは客観的な観察者の立場を保てるかもしれないが、いざ人間を扱うとなると…

モジュールとコネクショニズムの問題とか

もらったトラックバック先の記事を見て思ったのだが、いまどき極端な「生まれか育ちか」の議論がありえないのは当たり前だろう(だからピンカーは間抜けに見える)。たとえば、「モジュールとコネクショニズム」の対立でもこれは決して「生得と経験」の対立…

クジラやイルカの進化

私はお世辞にもクジラやイルカについてくわしいとは言えないが、こんな記事(イルカやクジラの脳が大きくなったのは水温のため)を読んでしまうと、つい進化の過程をいろいろと勝手に想像してしまう。 クジラやイルカは系統的に分岐する前はまあまあ大きさの…

生物の種の問題と普遍論争

生物の種に関する問題は考えると切りがない。人間の普遍的概念への認識や人間の生得的能力の問題と関わっているので、私はそういうことを考える機会があった。(ネオ・ダーウィニズム(進化の総合説)から帰結するように)種が端的に存在しないのなら、種概…

ボツ記事候補だったけど、単なるメモだからいいや

東浩紀のしてる話「コンテンツ産業の開発業者化」はこのままでは抽象的で分かりにくいので私が勝手に翻訳してみる。 例えば、キャラクター商品ではそのキャラクター*1に人気(アテンション)がありさえすれば、素晴らしいアニメ作品のキャラクターであろうが…

歴史は繰り返す?

ウォルフレンの最新書ASIN:4047915262通して思ったのだが*1、今の日本で中国が世界の工場になったことで陥っている状態は、以前の日本が欧米に陥らせた状態と同じようなものだと思う(アメリカのジャパン・バッシングなんてあったね)。かつて日本の優れた自…

ジャッケンドフでブログ検索

本屋での翻訳の立ち読みだけでジャッケンドフ天才とか勝手に思ってるどうしようもない私は、しょうがないのでブログを検索。id:shokou5さんのとこにある翻訳はとりあえずお薦めですが、今回はそれ以外で。 Languages of the Mind http://languagefaculty.blo…

ピンカーの認知科学観

後で気になって、ピンカーの進化心理学擁護の本「人間の本性を考える」isbn:4140910100くってみた。あれは、前半の認知科学話は悪くないけど、後半はちょっとなぁと読んだ当時の感想として思った。改めて見ると、ピンカーの認知科学観ってけっこう偏ってる。…