2009-01-01から1年間の記事一覧
専門の学者さんのブログ(→こちら)に長々と素人見解を書くのは僭越で恥ずかしいと思ったのでそれはやめたのですが、せっかく書いたのにもったいないのでここに転用します ダメットの言語哲学は日本語ではめぼしい情報が手に入りにくいのですが、私が今現在…
(承知済みだったとはいえ)前回の記事があまりにひどかったことに後から反省。きちんとした解説はid:optical_frogさんが訳した「レカナティ「語用論と意味論」」を読んでください。以下はあくまで私的見解としてお読みください。ちなみに、最近はやる気がな…
まとまりがなくて自信がない文章だけど面倒なので出しちゃう 言語行為論の哲学的貢献は、言語は記述に関係すべきという(道徳的説教と変わらない)哲学の傲慢を批判したことであり、その延長で言語と現実との関係はそれに関与する人間によってこそなされると…
原文ELIZABETH SPELKE Sources of Human Knowledgehttp://www.institutnicod.org/lectures2009_outline.htm エリザベス・スペルク「人の知識の源泉」(講義概要) 講義1:人の思考の認知科学へ:なぜこんなにも遅いのか プラトンの時代以降、物理学や生物学…
シンボルとアレゴリーとメタファーとアナロジーの違いは分かりにくい。アレゴリーは比喩と訳されることもあるが、それだとメタファーと区別がつかなくなる。レトリック(修辞)としてのメタファー(比喩)とは区別しないとしょうがない。認知科学ではメタフ…
結合的意味と分離的意味の差異はpossibile est album esse nigrumにおいても、これが「白いものが黒いことは可能である」と「白いものは黒いことが可能である」の二様に解されるというように、まったく同様に成り立つ。結合的意味ににおいては「白いものは黒…
分裂病(強度)と神経症(抑圧)が善と悪の戦いに重ねあわされるグノーシス的世界観(ニーチェをプラトンに対置し闘わせる)。ドゥルーズは新たな世界観(幻想)を提示してしまっている点でニーチェとは異なる。ニーチェの哲学者への態度は憐憫だが、ドゥル…
UTCPワークショップ "Philosophy of Perception: Being in the World"http://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/blog/2009/03/utcp-workshop-philosophy-of-pe/ この20年近くの間に、知覚の哲学、心の哲学、そして認知科学の哲学の分野では、古典的な認知主義と内…
今年のジャン-ニコ賞が決まったようです(受賞講義そのものはまだ先ですが)。Elizabeth Spelkeは知覚や発達を研究する心理学者です。調べてみると、最近では性差の話題で有名なようです。科学能力*1の男女差について心理学者のピンカーと論争をしたこともあ…
科学と宗教との関係への新しい挑戦が近年でてきた。私たちはそう望むのだが、科学者と神学者との間の注意深い検討があれば、科学と宗教との「文化戦争」と呼ばれることに伴う最新の戦場にならないだろう。この挑戦は神経科学からやってきたもので、人間の本…
但し書き:以下の文章は気に入らないところを多少含むのですが、直せそうもないのでもったいないので出しちゃいます。適当に割り引いて読んでください。 最近読んだある本で、市場を出しぬくことはまずできない(できたらそれはインサイダーだ)とあった。こ…
日本の面倒なところは、正統性を国内で確保することが困難なことだ。だから、英語圏のような外国に正統性を頼らないといけなくなる。私が単にこれが正しいといっても駄目そうなときは、しょうがないので英語からの翻訳に頼るはめになる。 例えば、下で行なっ…
近年トゥービー&コスミデスが提示した進化心理学の理論的内容は次のようなものだ 脳とは自然淘汰によってデザインされた環境から情報を抽出するするコンピュータである 個々の人間の行動はこの進化したコンピューターによって環境から抽出した情報に応じて…
進化心理学への批判記事があるというので楽しみにしてたけど、なんか物足りない。進化論特集なのに紹介記事でなく批判記事ってところにどんな意図があるのかはよく分からないが、そこはとりあえず脇に置く。 この記事の著者は、進化心理学にも科学的に慎重な…
仮想書架を探索する:目次 | 仮想制度研究所 VCASI あわわ、こんな有益なサイトがあったんじゃないか。あまり知られていないようなのでここでリンクしとこう。とりあえず認知科学に関連した本ばかりの書評につないでおきましたが、他にもいろいろとためにな…
私自身はアルゼンチンの空想を好んでいる。神は古いヨーロッパの人々が想像したような<自然の書>を書きはしなかった。彼はボルヘス風の文庫を著したのである。そのどの一つの本も可能な限り簡潔ではあるが、その一つ一つの本は他のどの本とも整合的でない…
これです→Topics in Cognitive Science誌 いやはや、Cognitive Science Societyが新しい学術誌を出すなんて驚いた(始めは何かの間違いじゃないかと思ってしまった)。この十年位は脳科学ブームと進化心理学ブームに右往左往させられたけど、とりあえずは認…
某所でこのような内容の書き込みを見た。こいつはコメント欄でのやり取りを続けなかったので気が短いだから本を丁寧に読めない。この推論は妥当だろうか。この人が直接に観察した行動は「コメント欄でのやり取りを続けなかったこと」である、そのことから相…
個人的な諸事情で最近はブログを書くにはなれないのだが、せめてリンクぐらいはしてみる。すでに出版されている本だが、ネットで解説文を見つけたのでつないでおきます。というか、いまさらこれを見つけたのだから自分の怠慢もいいところだな。 スタノビッチ…