日本語の詩の歴史的流れ(維新から戦前まで)
西洋詩の紹介 | |||
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1882 | 明治15 | 新体詩抄 | 外山正一ほか 訳 |
1889 | 明治22 | 楚囚之詩 | 北村透谷 |
1889 | 明治22 | 於母影 | 森鴎外ら 訳 |
日本語による詩の始まり | |||
1896 | 明治29 | 東西南北 | 与謝野鉄幹 |
1897 | 明治30 | 若菜集 | 島崎藤村 |
1899 | 明治32 | 天地有情 | 土井晩翠 |
詩の技術の高度化 | |||
1905 | 明治38 | 海潮音 | 上田敏 訳 |
1906 | 明治39 | 白羊宮 | 薄田泣菫 |
1908 | 明治41 | 有明集 | 蒲原有明 |
1909 | 明治42 | 邪宗門 | 北原白秋 |
1909 | 明治42 | 廃園 | 三木露風 |
詩の成熟期 | |||
1914 | 大正3 | 道程 | 高村光太郎 |
1917 | 大正6 | 月に吠える | 萩原朔太郎 |
1918 | 大正7 | 自分は見た | 千家元麿 |
1918 | 大正7 | 抒情小曲集 | 室生犀星 |
1918 | 大正7 | 風は草木にささやいた | 山村暮鳥 |
1919 | 大正8 | 食後の唄 | 木下杢太郎 |
1919 | 大正8 | 砂金 | 西条八十 |
1921 | 大正10 | 黒衣の聖母 | 日夏耿之介 |
1921 | 大正10 | 殉情詩集 | 佐藤春夫 |
1923 | 大正12 | ダダイスト新吉の詩 | 高橋新吉 |
1924 | 大正13 | 春と修羅 | 宮沢賢治 |
1925 | 大正14 | 月下の一群 | 堀口大学 訳 |
1925 | 大正14 | 死刑宣告 | 萩原恭次郎 |
詩の高踏化 | |||
1930 | 昭和5 | 地獄の季節 | 小林秀雄 訳 |
1930 | 昭和5 | 測量船 | 三好達治 |
1931 | 昭和6 | 中野重治詩集 | 中野重治 |
1933 | 昭和8 | Ambarvalia | 西脇順三郎 |
1934 | 昭和9 | 氷島 | 萩原朔太郎 |
1934 | 昭和9 | 山羊の歌 | 中原中也 |
1935 | 昭和10 | わがひとに与ふる哀歌 | 伊東静雄 |
1935 | 昭和10 | 小熊秀雄詩集 | 小熊秀雄 |
1937 | 昭和12 | 萱草に寄す | 立原道造 |
1937 | 昭和12 | 鮫 | 金子光晴 |
1938 | 昭和13 | 蛙 | 草野心平 |
1939 | 昭和14年 | 体操詩集 | 村野四郎 |
- 解説
全体の流れとしては「新体詩→浪漫詩→象徴詩→近代詩→モダニズム詩」と高踏化が続き、戦後はさらに「戦後詩→現代詩」と大衆化や暗号化(またはマニュアル化)が続く(ちなみに戦中は戦争への賛美と逃避との真っ二つに詩が分かれる)。私はごく一部の例外(田村隆一や吉岡実や荒川洋治など)を除き戦後の日本の詩への評価は全体的に低いので、戦後の詩の歴史はあまり書く気がしない(試しに少し書いてみたが混乱していてうまく整理できない、どうせ戦後で書くなら現代短歌の方がいいや)。
一応言っておきますが、私はここにある詩集すべてに目を通してはいませんし、自分の勝手な基準で選んでいるので他にも載せるべき重要な詩集があることを否定しません。あくまで戦前の日本の詩の歴史を辿るための目安ということでお願いします。
- 参考サイト
世界文学史年表(中学生用) http://www.shikakunavi.net/kids/kokugo/data/bungaku_tai.html
近現代日本文学史年表 http://uraaozora.jpn.org/index2.html
和歌・芭蕉句・近代詩年表 http://www.interq.or.jp/www1/ipsenon/p/shi1946.txt