長尾眞の記念講演
8/27日曜日の放送大学(http://www.u-air.ac.jp/cgi-bin/bangumi/viewProgram.cgi?today=20060821&vDay=%2B6&media=TV)で、日本の人工知能の第一人者の長尾眞の記念講演を見た。彼が過去にやった研究である顔画像処理と機械翻訳(自然言語処理)の紹介をしていた。1960年代にやっていた顔画像処理の話も面白かったが、私はその後の1980年代の機械翻訳(自然言語処理)の研究が特に面白いと思った。いくつかの研究が紹介されていたが、全体の流れとしてみると生成文法から認知言語学そして用例による学習へと認知科学の歴史的流れに見事に沿っているように思えて驚いた。別に他の研究者への追従でなしにそうなったのだからすごい。始めは有限オートマトンによる処理だったのが、フィルモアの格構造文法を参照した方法へと移り、最後にアナロジーを用いた学習プログラムへと移行した。特に最後の方法は当時は認められずに数年後に有用性が認められたと言う。これがオリジナルの研究をする第一級の研究者なのだなと感心してしまった。もしまた放送の機会があったらぜひ見るのをお薦めします。