2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

大賀祐樹「リチャード・ローティ」

「リチャード・ローティ―1931-2007 リベラル・アイロニストの思想」 ローティの著作をあまり消化できていない、大して分かりやすくもないレジメみたいな本 ローティ思想の入門書として書かれた本であるが、著者のローティ理解が未熟なせいでさっぱり分かり易…

競争的民主主義の市場とのアナロジーによる擁護のどこが問題なのか?

フィシュキンの「人々の声が響き合うとき : 熟議空間と民主主義」を読んで以来、民主主義の制度論に興味を持っていたが、機会があって今度は熟議民主主義のライバルとされる競争的民主主義を擁護するシャピロの「民主主義理論の現在」を読んでみた。 「民主…

認識論的な整合主義を擁護できる形に整えてみる

分析的な認識論にはよく議論される論点が幾つかあって、内在主義vs外在主義や基礎づけ主義vs整合主義といった説の対立が争点になる。これらの説の内で、内在主義の立場は外在主義以外の説と一緒にできるので、基礎づけ主義と外在主義と整合主義の三つが認識…

バンジョー、ソウザ「認識的正当化」への偏った感想

「認識的正当化―内在主義対外在主義」 お世辞にも読み易くはないが、中級以上向けの分析的な認識論の本として興味深い本 分析哲学の認識論については戸田山和久「知識の哲学 (哲学教科書シリーズ)」を既に読んでいて、これは分析哲学入門としても優れている…

加國尚志「自然の現象学」

「自然の現象学―メルロ=ポンティと自然の哲学」 晩年メルロ=ポンティの講義に基づいた解説だが、彼の問題意識は分かるようになるが、哲学内容にまでは至れない 晩年メルロ=ポンティの自然講義に基づいて、晩年メルロ=ポンティの問題意識を炙り出した興味…