前回の記事への追記

誤解を避けるために言っておきますが、私は進化心理学を批判してるのではありません(明らかに成果があったのは確か)。しかし、生得-経験論争における振り子が、過去には極端に経験の方に揺れていたのが、今では極端に生得の方に揺れている印象がぬぐいきれない。ある程度は反発でしょうがないと思いますが、それが意識されているかも今や危うい。認知科学は第二波の人が現在まだ活躍してるからいいものの*1、そうでなければまた還元主義の世界に逆戻りになりかねない(何のための認知革命?)。認知科学の議論に後で外部から来た人に還元主義の傾向が強い。進化心理学は時に極端に動物機械論をそのまま人間に当てはめることがある。比較認知科学での実は動物も人間に匹敵するほど賢いのだと示そうとするのとは逆だ。このベクトルの逆方向性に気がついた方がよい(同じく動物の研究だとか思わないように)。人間に生得的制約があるのは確かだけど、あまり極端に機械論を当てはめるのはおかしい。もしかして、このような極端なカテゴリー付けをしてしまうこと自体が人間の持つ生得的運命なのも知れないが…

*1:第一波ではいまや目立つのはチョムスキーぐらいかな