歴史は繰り返す?

ウォルフレンの最新書ASIN:4047915262通して思ったのだが*1、今の日本で中国が世界の工場になったことで陥っている状態は、以前の日本が欧米に陥らせた状態と同じようなものだと思う(アメリカのジャパン・バッシングなんてあったね)。かつて日本の優れた自動車産業などが欧米の労働市場を混乱させたように、今や中国の安価な労働力が日本の労働市場を混乱させているようだ*2(このあたりの用語の使い方にはあまり突っ込まないように、私に専門知識はない)。「グーロバリズムのせい」の一言で済ますのはもったいない。

思い出していただけると有り難いのですが、90年代初め頃、それまで褒め称えられていた日本的雇用システムが批判されるようになりました。どういう批判が主流だったか覚えていますか?グローバル化に対応できないとか何とかいう、その後規制改革派が騒ぎ立てたネオリベ風の批判ではなかったんですよ。個人の自由を抑圧するシステムだとか、息が詰まるとか、人間を奴隷にするものだとか、「社畜」(@佐高信)なんていう素晴らしい言葉もありましたねえ。90年代の規制緩和路線は、そういうリベサヨ的な言説から始まっているのです。
ネオリベとリベサヨの神聖同盟 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_a436.htmlより

そういえば80年代には過労が問題になってたじゃなかったけか。日本の抑圧的な共同体主義*3から自由になろうとしてしたことが、そのままネオリベな優勝劣敗な世界観につながったようだ(結果として日本の過労問題は解決していない、むしろ悪化だよ)。同じように現在、弱者であることから逃れようとして支持しているネオリベな世界観も、それからどこにつながるのやら?まさに意図せざる結果。
人の認識能力の限界と世界の事物間のつながりの巧妙さとに私はつくづく驚かされる。

*1:ウォルフレンも宮台真司と似たこと言ってるよ。日本はアメリカなど当てにせず自立しろ。あと最近の日本の官僚は専門知識はあっても全体性志向はないとか。それにしても、ウォルフレンの言うようにアメリカと中国の対立はそれほど重大なのだろうか(私にはよく分からない)。ちなみに思ったのだが、戦後の日本の官僚は(現在の官僚よりまともとはいえ)冷戦とアメリカの影という条件の元でうまくやっていたのだなぁ…と。それから、アメリカも昔はよかったんだよ〜とも私は思うのだが。

*2:今はインドも元気だが、日本と競合する産業はあまりないので関係は薄い

*3:会社や地域なので正確には中間共同体