ボツ記事候補だったけど、単なるメモだからいいや

東浩紀のしてる話「コンテンツ産業の開発業者化」はこのままでは抽象的で分かりにくいので私が勝手に翻訳してみる。
例えば、キャラクター商品ではそのキャラクター*1に人気(アテンション)がありさえすれば、素晴らしいアニメ作品のキャラクターであろうが、広告代理店の作ったCMのキャラクターであろうが、ネット上の私的コンテンツのキャラクターであろうが、売れさえすればどうでもいいことだ。ならば、始めから適当にたくさんキャラクターを(無料で)あちこにばら撒いておけば、人気が出てからキャラクター商品なりの関連事業でいくらでも儲けることができる。一度こうなると、そのキャラクターの出る作品の質はどうでもよくなり、人気(アテンション)が集まりさえすればよくなる。この程度の意味なのだろうか?
これを応用すると、例えば話題の著作が出たとき、その中身の議論のうんぬんはどうでもよくて、その著作の話題のキーワード(Web 2.0みたいな)を用いた関連事業で儲けることができる。タレントやアイドルでも一時的に話題になりさえすれば、それをいくらでも利用できる。これはさらに、ある会社が話題ってだけでその会社への投資商品を作ったりもできる。話題(アテンション)を作り(見つけ)さえすれば後は現実のコミュニケーション(やりとり)にお任せだぁ〜。
あれ、今気づいたけど、これって広告産業の手法の一般化?ただし、一般的な広告産業の手法との大きな違いは、始めに商品があってそれを宣伝するのでなく、宣伝を先にしてうまくいったら商品化することだろうか。正直言って、これが新しい考え方なのかは分からない。私が思うにはむしろ、そんなことしてた人は今までもいたけど、これからはそれが当たり前になるってことだろう。現代は宣伝のための手法が多様化したので、こうした方法はより一般化するってことだろうか(というか、そうでもしなきゃ商売ができないし、市場も成り立たない)。ともかく、人気(アテンション)が出さえすれば、それが素晴らしい作品からであろうがゴミのような作品からであろうがどうでもいいことである。
ここまで考えて思ったが、この解釈だと直接の商品のやり取りがあまりに多すぎて東浩紀の想定する話とは違う気がする。

開発業者はもはや作物は作らない。作物の生産は経済的にわりに合わないからだ。彼らはかわりに、畑を潰して、宅地を造ったりショッピングセンターを作ったり(その土地=作品を使ってコミュニケーションする人々に課金するシステム)、あるいは事前に高速道路の設置計画を入手して高額で売り抜けたりする。

この意味がいまいち分からない。まさかネット上の広告産業だけで商売が成り立つと考えてるのではないよね(市場におけるお金の流れを考えてくれ)。それとも、音楽の安価なダウンロードに匹敵する商売を想定すればいいのだろうか?それでも商品のやり取りはやっぱり存在する(あとはアバター?でも他に応用の利かない商売だな。それともオンラインゲーム?キャラクター物のオンラインゲームとかってそんなありなのか)。「作品を使ってコミュニケーションする人々に課金するシステム」をうまく想定できない私は無知なのだろうか(私はお世辞にもネット産業に詳しいとはいえない)。それとも、やっぱり東浩紀のしてる話は(さすがにSF並みではないにしても)極端なのだろうか。よく分からない。

*1:別に「萌え」でもいいけど、オタク限定の話ではないのでやめとく