日本の第一級の認知科学者、波多野誼余の死

Hiroaki Suzuki's Blog「波多野先生の思い出」 http://edhs.ri.aoyama.ac.jp/~susan/archives/2006/01/post_131.html
大津研のホームページ「波多野誼余夫先生を偲んで」 http://www.otsu.icl.keio.ac.jp/
とうとう日本の認知心理学の第一人者の波多野誼余が亡くなったらしい。こういっちゃ何だが、日本の認知心理学はこれでおしまいな気さえする。彼に匹敵する人などどこにいる。私の卒論の指導教官もその方面ではけっこう有名な人だが、がっかりさせられることの方が多かった。しょうがない。日本の認知科学の研究のレベルは波多野誼余に代表されるような初期の研究者が最も高かったのでは、とさえ思ってしまう(実際に国際的にもかなりの高レベルだったし)。諸行無常の響きがきこえる。

  • 追悼ミニリンク集

知覚や記憶など、人間の知的な心(マインド)を総合的に研究 http://www.kawai-juku.ac.jp/prof/ninchi/ninchi-hatano.html
以前にも紹介したことがありますが、認知科学についてこんなに見事に説明してくれる人は日本にはもういないでしょう。
自然主義派」人類学者による文化と認知 http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/rihum/pdf/hatano.pdf(PDFなので注意)*1
認知過程において文化を重視した波多野先生ならではの紹介です。というわけで、以下の著作をお薦めします。

人はいかに学ぶか―日常的認知の世界 (中公新書)

人はいかに学ぶか―日常的認知の世界 (中公新書)

日常的認知をいち早く紹介しながら、未だに古びてません。こういう本を書ける人ももういないのです。詳しい情報は検索してみてくださいgoogle:波多野誼余