「脳を活かす」研究会発足記念一般講演会を読む

発起人に認知科学に関わる人物が多い「脳を活かす」研究会(安西さんまでいるよ)。この前久しぶりに行ったら更新されていた。
「脳を活かす」研究会 発足記念一般講演会 http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/transcript_200604.html
いろいろあって面白い。一部を紹介しよう
"Multiple Minds: Neuroscience of economic decisions" http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/transcript/200604/mcclure/index.html
「コークかペプシか」みたいな市場への応用の話だと考えるとちょっと引くが、実際には意思決定という認知科学で昔からやられている研究分野の脳研究への応用というまっとうな研究の紹介だった。ブランドで選ぶか味で選ぶか、なんて意思決定論でよくやられる話で、それを脳研究に起用している。ただし、期待するほど意外なことは分かっていない。
「脳を読み,つなぐための神経デコーディング」 http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/transcript/200604/kamitani/index.html
fMRIで人の視覚野の傾き選択性を調べるために、ある種の人工ニューラルネットワークを用いるというのは恐ろしくうまい方法。こういうアイデアこそが科学では重要だ(これがなかなか難しいが)。ただし、応用の話にはウ〜ンと唸らざるを得ないが(客観的に分かる知覚や運動以外ではどうやって調べるつもりか)。