「構造主義vs何とか」

宮台ブログにアップされた『制服少女たちの選択』文庫増補版あとがきを読んで、大学の授業で教育社会学の文献として紹介された懐かしい本とか、オウム事件時に高校生だった私は感情移入バリバリとか、そういう言う話は置いとくにしても、ピアジェブルデューに関係があるって話は始めて聞いた。一応言っとくと、ピアジェは心理学者でブルデュー社会学者。ピアジェ認知心理学の源でブルデューは主要な教育社会学の文献の著者。どちらも心理教育系出身の私には馴染みの名前になっている*1

むろんピアジェの発達的構造化仮説や、それを踏まえたブルデューハビトゥス論に見る通り、構造Aを前提として学習的に構造Bが構築され、構造Bを前提として学習的に構造Cが構築される。学習後に構造Aが消えても構造Cは不変だ。そうやって「文化」ができる。
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=421より

宮台さんのピアジェ構造主義の一口解説はうまいので感心するが、ピアジェブルデューの関係は知らなかった。というか、学生時にブルデューの「ディクタンクシオン」を面白く読んだので余計に???。ブルデューはもともと人類学者でレヴィ=ストロースにはまっていたのが、そこから離れるためにハビトゥス論を作り上げたんじゃなかったかな。だいたいブルデューは文化の歴史的変化って扱ってたっけ?(ここはルーマンの間違いじゃないか、そりゃ応用は可能かもしれないけど)。なんかピンと来ない。
構造主義vs何とか」、例えば、ピアジェvsヴィゴツキー生成文法vs認知言語学レヴィ=ストロースvsブルデュー*2、って探ってみればいろいろ面白いと思うんだけど。

*1:大学に入った私が最初にはまったのが教育社会学で、認知心理学はその次。ちなみに、ブルデュー文化心理学生態学的アプローチの本でよく参照される人でもある(状況論的アプローチの本では微妙)。

*2:かなり強引に言えば、レヴィ=ストロースvsブルデューの対立は自然人類学vs文化人類学の対立に近いかも。レヴィ=ストロース構造主義は人間精神の普遍性を探求していることを考えれば見当はずれでもないだろう。ちなみに、自然人類学vs文化人類学の対立は進化心理学vs文化心理学の対立にも近い。実際に進化心理学文化心理学に人類学者が関わってるし。進化心理学だとテュービ&コスミデスの一方(Scott Atranもそうかな)、文化心理学だとルヴァインやシュエーダー(「文化心理学入門」isbn:400003958x)。