借金催促人の孤独


こら、借金、利息をつけて返しやがれ
借りたもんは耳をそろえて返すのが、道義ってもんじゃ
返せないっていうのか、このやろう
そんなことで世間様に顔向けできるんかいな
そんな野郎が生きていていいと思っとるんかいな
いったい、いつまで待たせりゃ気が済むんじゃ
お預かりしたもんはきっちりと返すんが、当り前ってもんじゃ
ぐだぐだ言わず、出すもん出しやがれ


お前、そんなことで済むと思っとるのか
世の中そんなに甘かねえよ、礼儀ってもんを教えてやろうか
借りたもん返せないやつは首くくって死ぬんだよ
俺がなわ買ってきてくくりつけてやろうか
世の中のお約束を守れないってんなら、家に火ぃつけてやろうか
俺がじきじきに行ってやろうってんだから、ありがたく思え
礼なんて言ってくれなくても結構だからよ


お前のそういうわがままが、何様に迷惑かけてるのか分かってるのか
せっかく育てた子供がそんなんじゃ、親は悲しむだろうな
せっかくの兄弟姉妹のきずなも、これで切れちまうんだろうな
お前の裏の顔を知ったら、お友達はどんな顔をするだろうな
お前のことを信用していたお人もさ、なんて思うんだろうな
本当に分かってるんだろうな、何人が不幸になるだろうかってな
大丈夫だよ、心配すんな、俺がきちんとみんなに知らせてやる
金を貸してあげたこのお心を、平気で踏みにじるような
最低の心の持ち主がお前だってことをな


くそっ、電話切りやがった、でも何度でもかけてやる
こんなんで済むと思うなよ、骨の髄までしぼりとってやる
そんなんで終わりと思うなよ、死ぬほどまでにたたきのめしてやる
俺から奪ったもんを、利息といっしょに返せる日までな
その日が来れば、の話だがな