2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

入門的な認知科学書のリスト

以前、認知科学の入門的な話は書いていると切りがないので出版物に任せたい、と言ったことがあったが、そう言いっぱなしだと無責任だと思ったので、安くて読みやすい認知科学書のリストを作ってみました→「新書や文庫で読める認知科学関連の良書」。著名なあ…

認知科学に潜む近代哲学史

哲学史において成されたことは認知科学においても繰り返された、と言われることがある。哲学史と言ってもどこまでさかのぼるかなどで全然違うが、少なくともカント以降の主要な哲学の流れ(いわゆる近代的エピステーメー)が認知科学の中に含まれているのは…

電波コメント

http://d.hatena.ne.jp/CUSCUS/20080208#c1203370624 本体のブログも興味深いですが、ここはあえて電波なコメントに注目。はははっ!、自分のブログにこんなコメントが来たら、(潔癖気味で2ちゃん嫌いな私でも)削除するかどうか迷ってしまいそう。

最近の気になる本

ポストフォーディズムの資本主義―社会科学と「ヒューマン・ネイチャー」作者: パオロヴィルノ,Paolo Virno,柱本元彦出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2008/03/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 46回この商品を含むブログ (23件) を見る出版元による紹…

独り言

スピリチュアルが非科学的であることは初めから自明じゃん!みたいな個人的意見は置いとくとしても、スピリチュアル批判をしている有名な人の中には違和感を感じる人がいる。私には、果たしている(問題含みの)役割の点ではスピリチュアルと俗流若者論と俗…

認知科学の中間的な立場

私が感じる認知科学の魅力の一つは、その立場(パラダイム)の中間的なところにある。(認知科学がまだなかった)認知革命の真っ最中のころ、一方に当時の心理学で主流であった科学的厳密さの代償に意味を追放した行動主義があり、他方に人間性心理学のよう…

認知心理学のリンク

認知心理学 - MSN エンカルタ 百科事典 ダイジェスト http://jp.encarta.msn.com/encyclopedia_761554715/content.html 思考や記憶の研究を中心とした狭義の認知心理学の説明としては完璧。さすが、市販の百科事典からの無料公開版である。でもやっぱり翻訳…

言語進化:科学の最も難しい問題?(3)

Part 2の続き 7章で、ディーコンは言語進化の中心には複雑なシンボル的コミュニケーションのための人の能力があるとする。しかしながら、トマセロとは対照的に、ディーコンは世界中の言語を通して(つまり言語普遍に)見られる言語構造の多くのサブパターン…

言語進化:科学の最も難しい問題?(2)

Part 1の続き 3章でハーフォードは、人は言語を獲得して独特の心的能力を進化させるとするピンカーに賛同しているが、言語進化の説明における文化的伝達(学習)の役割には反対している。ハーフォードは、言語進化は生物学的前適応と世代を介した言語学的適…

言い訳

「翻訳はめったにやらない」と言ったその舌の乾かぬうちに、またやってしましました。でもやはり面倒なので、めぼしい有名な研究者が出てくる章の紹介までしか訳しませんでした。これだって十分に面倒でした。あくまで翻訳は私の気まぐれなので期待しないよ…

言語進化:科学の最も難しい問題?(1)

原文:Language Evolution:The Hardest Problem in Science?,Christiansen and Kirby,2003(PDF) 訳注:著作の内容を紹介した第1章から、全17章中のうちの9章までの説明の抜粋、ただし所々で訳の省略を含む 私たちを人間たらしめているのものは何か。私たち…

このブログの傾向と対策?

私がこのブログで書いていることって、認知科学の哲学や基礎みたいな話が多くなってしまう。それが私にとっての関心なのだからしょうがないのだが、そのせいか認知科学について全く知らない人には読みづらくなってしまうようだ(別に意図していることではな…