脳の研究法(心理学寄り)についてのメモ

臨床と実験(破壊、刺激、記録)

「コンピュータ断層法(CT)」1970年代にイギリスのG.H.Hounsfieldが開発、X線画像とコンピュータによる画像解析を組み合せた
「磁気共鳴断層法(MRI)」電磁波をとらえる、造影剤なし
以上は形の可視化、次は機能の可視化へ
神経活動が高い部位では酸素やグルコースブドウ糖)の消費量が多く、そのために血流量も増大する
陽電子放射断層法(PET)」酸素や水やグルコースなど、いろいろな化学物質の代謝量を計測できるのが利点
「機能的MRI(fMIR)」血液中の酸素を持ったヘモグロビンと持ってないヘモグロビンの性質の違いを利用して、酸素消費の多い部位を見分ける

MRI(磁気共鳴断層法)
脳の構造を見るツール。解剖学的構造を見る。脳の損傷を調べる。
fMRI(機能的磁気共鳴断層法),PET(陽電子放射断層法),SPECT(単光子放射断層法)
脳の機能を探るツール。(脳血流から)脳の活動領域を見る。空間分解能は高いが時間分解能は低め。
ERP(事象関連電位),EEG(脳波図)
情報を流れを突きとめるツール。ニューロンの電気活動を調べる。時間分解能に優れるが空間分解能は低い(表面しか分からない)。
おまけで、和田テスト(アミタール・テスト)
脳の半球を麻酔する方法(1950年代に和田淳が開発)。脳の片方の半球だけを麻酔状態にして検査をし、左右の半球の違いを調べる
本に記述はあるが知らない方法、TMS(継頭蓋磁気刺激法)
正常な被験者の脳領域を刺激する。電磁気を用いて苦痛を伴わずに脳内のニューロンを脱分極される。
fMRI(機能的磁気共鳴断層法)の結果処理法
加算法(同じ条件の複数の被験者の結果を足し合わせて脳画像からノイズを減らして、共通して活性化した部位を見つける)
減算法(ある脳画像から別の脳画像を引き算して、二つの脳画像で共通して活性化してる部位を取り除く。普通は複合的な条件から単純な条件を引く)
  • 脳研究の方法メモ
実験研究
(動物研究と人間研究)や(侵襲的方法と非侵襲的方法)
症例研究
(観察と実験)

たまに質問紙調査と関連付けることもあり。また、最近は統計やニューラルネットワークを用いて脳のある部位の全体的振る舞いの傾向を調べることも多い。

脳の侵襲的方法(よくある方法)
ラットを条件付けしてから脳を取り出して調べる(記憶や情動の研究)
脳の部位に電極を差し込んで調べる(知覚の特徴検出器や運動の方向性ニューロン群など)

他にも特定の遺伝子の働きを抑制するノックアウトマウスによる研究というのもあるらしいが私にはよく分からない。残念ながら私は心理学寄りしか分からない(神経心理学や比較心理学。遺伝子関係の心理学研究なら双子研究とか交配ラットによる研究とかも知ってはいるがここでは関係ない)。

    • 間違いや他にも書くべき方法などがありましたらコメントやトラックバックでお知らせいただくと助かります。これを参考にして新たなメモを作っていただいてもかまいません。ただこれを鵜呑みにせず、できるだけきちんと文献で調べた方がいいと思います。私は専門家ではなくて一素人に過ぎませんので。