2025-01-01から1年間の記事一覧
「記憶するチューリップ、譲りあうヒマワリ: 植物行動学」 近年の植物学の界隈で話題の植物の知性についての研究を、様々な研究者へのインタビューを交えて紹介した科学ノンフィクション。 現在、植物の知性については激しい論争がある。著者はジャーナリス…
近年のジョセフ・ヒースのエッセイはどれも面白く、経済学101のサイトですぐに日本語で訳されるのでお薦めします。最近だと特にこれがお勧めだ。 正直、ヒースは主流経済学についてはちょっと真に受けすぎだと思う1が、認知科学や進化心理学については知識が…
まず始めに、前回の記事でまとめた現代的な観念論の中心的な特徴を確認しよう。 私たちの経験する世界は意味(又は概念)で満たされており、その外側なんてない 次になすべきなのは、観念論の科学との対決を見ることである。なぜなら、現代に観念論が否定され…
前回の記事では、観念論についての一般的な説明を紹介した。だが、その説明ではバークリーとカントの観念論までに留まっていて、哲学史的なその先には触れられていなかった。それを少し追いながら、現代に相応しい観念論の理解を探ることになる。こんな試み…
現代の哲学において観念論は目の仇にされがちだ。私がやろうのしてるのは、観念論を擁護する(擁護できる形に変える)ことが目的だ。そのためにまずは観念論の説明から始める。 現代的な観念論のイメージは、20世紀初頭のイギリスでの観念論-実在論の論争や同…
最近、現代哲学では否定的に扱われがちな観念論を擁護する記事を書こうと計画している。別に論文を書く訳ではないので手軽に書くつもりだが、それなりにちゃんとした内容にしたいので、どうしようか迷っている。本体の記事を書くのはまだ先になりそうなので…
substackには気まぐれでなんか書いているが、メインのはてなブログにはしばらくの間ほとんど書いていない。別に書きたいことがなくなった訳ではないが、書かなくなった理由は幾つかある。 最もシンプルな理由は、最近は新刊を読まなくなったのでそれをネタに…
私は子供の頃にバブル期を過ごしており、その軽薄さが子供心にも大嫌いだった。それが長じて、若い頃は(環境問題への関心も重なって)経済については反成長の立場だった。当時は反成長の立場は珍しいものではなかったが、その中でも異論があるのだが、その話…
今の日本ではリベラル論議が盛んだが、それを見ててもしっくりくることはないまずない。その理由は簡単で、日本ではリベラルという言葉が正しく定義されることもなく、それぞれの人がそれぞれに好き勝手な意味で使っているからだ。 この前、比較的リベラル寄…
ゾントハイマー「ワイマール共和国の政治思想」は戦間期ドイツのワイマール期の反民主的な右翼思想である保守革命について、概論的にまとめ上げた古典的な研究書である。保守革命についての概論書としては今でも読みやすくてお勧めできる。 これは既に新刊で…
「あなたが平等主義者なら、どうしてそんなにお金持ちなのですか (こぶしフォーラム)」 代表的な分析的マルクス主義者であるコーエンによる講義を元にした著作。政治哲学の明瞭な議論は一見の価値ありだが、一般向けとしてはちょっとレベルが高い 有名な分析…
最近、こういう論文を読んだ。 人生は甲斐がなく無意味である ――水泡論証による擁護 笹滉介 これは、近年に盛んになっている人生の意味についての分析哲学的な議論を扱った論文である。内容は水泡論証の紹介としては良く出来てるので、興味があるなら読んで…
「ハチは心をもっている――1匹が秘める驚異の知性、そして意識」 蜂の心に関する研究をその専門家が一般向けにまとめた労作。ハチの知性を示す巧みな実験がたくさん紹介されており、読みやすくて内容が充実してるのでお薦め ハチの知性の研究者である著者が、…
アメリカの副大統領となったヴァンスの外交姿勢が騒がれている。特にリベラルとされる人たちがヴァンスの発言を批判して、否定的な評価をしている傾向が強い。 そうしたヴァンスの政治的な態度を探る記事をいくつか読んだ。それらは大抵、ヴァンスがティール…