ネット上にあった川人光男による小脳研究の解説、および脳科学の行方

川人光男、銅谷賢治、春野雅彦:ヒト知性の計算神経科学 第2回 小脳が獲得する内部モデル. http://www.hip.atr.co.jp/departments/Dept3/PDF/Iwanami2.pdf(PDFです:リンク元はMitsuo Kawato Publication List http://www.cns.atr.jp/%7Ekawato/pubjp.html)
検索してから気づいたが、すでにダウンロード済みで読んでいた。一応言っておくが、私は脳科学は得意ではない。脳科学の記事は半ばサービスで公開してるところはある。

近頃の「脳ブーム」は、どちらかというと、脳科学を「頭がよくなるツール」として利用してやろう、という雰囲気のもとにあります。
また、「クオリア」研究は、哲学の域を脱していない、思弁的な性格があります。
脳を活かそう。http://matsuda.c.u-tokyo.ac.jp/sci/blog/2006/04/08/coe/から

ご察しのように私の茂木氏への評価が低いのはクオリアのせいです。おまけで、以前に茂木批判を書いた記事にリンクしときます(山形さんが来たあれです)→http://d.hatena.ne.jp/deepbluedragon/20051228/p1。私は茂木氏より(あのセクハラの)澤口氏の方をよっぽど評価する、あくまで研究者として限定ではあるけど。お願いだから社会評論には手を出さないで。

最近の「脳文化人」の出現は後者のタイプの神経倫理学現代社会が強く求めていることを示しています。しかしながら、俗説をあたかも脳科学の裏付けがあるかのようにマスコミに流すことは、社会と脳科学に対する背信となります。翻って、この現象は、社会一般が脳科学の啓発活動を切実に求めていることの証左であるともいえます。
脳を活かす研究会:設立の背景 http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/background.htmlから

脳科学者にも危機意識はあるようだ。最近は浅はかな脳科学の応用も増えてるようだし。そういうことについてきちんと語れる人に出てきて欲しい。人文社会科学系の人もがんばれ!(理系のスペシャリストだけには任せられないでしょ)。
参考サイト:浅はかな脳科学の応用の例
神経科学で商品を売り込め――ニューロマーケティングの挑戦 http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050603303.html
民主党員と共和党員の脳の違いをスキャン技術で探る http://hotwired.goo.ne.jp/news/print/20041101201.html