2007-01-01から1年間の記事一覧

応答コメントが長くなったので、こちらに転用

心理学の実証研究はそれこそ山のようにあるが、新しい科学的発見なんてめったにないし、それ以前にそうした研究にどんな意味があるかさえよく分からないことが多いのが現状だ。 山岸俊男の実証研究はもともと職人的なきちんとした研究であり、それこそが最大…

社会心理学者の山岸俊男がテレビに出た

爆笑問題のニッポンの教養 File004:「人間は動物である。ただし…。」 http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/ 社会心理学者の山岸俊男が出演したNHKの番組を見た。実験の設備がいいものですごいなぁとか、心理学実験の説明が少なすぎとか、爆笑問題の太…

アルチュセール理論への大雑把理解

認識論的切断とは、もともとバシュラールの科学哲学用語なのだが(バシュラール-アルチュセール-フーコーというフランス科学哲学の系譜がある)、マルクスは青年期とそれ以降では科学への認識方法が根本的に変化したということである。廣松渉風に言えば、疎外…

お知らせ

コメント(記事と共に削除されました)で指摘された記事を含め、後から明らかな間違いと思われる記事は私自身が納得の上で削除しました。

心理学理論の誤解いろいろ

認知心理学の入門書に書かれている「行動主義」批判を鵜呑みにした偏見? http://diary.hasep.net/_7/04/25.htm 以前から私は日本では認知革命の意義が理解されないことにうんざりしてきた。一見上のリンク先で紹介されている発表では好意的に扱われているよう…

ドゥルーズ「フーコー」

フーコー思想の見取り図を描いた、ドゥルーズにしては奇跡的に読みやすい穴場な著作 晩年フーコーは理解されない。晩年のフーコーに対して私的領域への閉じこもりと言う人もいる。しかし、フーコーは権力を分析することで私的領域など存在しないことを示した…

今日のお言葉(ドブジャンスキー篇)

人類の歴史は生物学変数と文化的変数の相互作用によって引き起こされた。人間の生物学的自然を無視して、文化の起源と発達を理解しようとしても役に立たないのと同じように、文化的影響を無視して、人間の生物学を理解しようと試みても無駄である。人間の生…

消去主義と解釈主義との違い、または政府転覆計画について

ときどきデネットを介して一緒くたにされてしまう消去主義と解釈主義との違いについて書こうと思うのだが、その話をする前に素朴心理学その他うんぬんを説明しなければならないという面倒くさい仕事が待っている。知識のない読者には悪いが、面倒なので大雑…

神成淳司について調べてみる

kaminari's Home Page http://www.iamas.ac.jp/~kaminari 神成淳司(PHPの人名辞典の記載) http://www.php.co.jp/fun/people/people.php?name=%BF%C0%C0%AE%BD%DF%BB%CA 宮台真司のブログで紹介されていたので、検索して調べてみた。う〜ん…正直なところ論…

マトモなコメントをもらうのは本当に良い

せっかく真面目なコメント*1をもらったので、最近古本屋で見つけたお薦め文献を紹介します。危機の構造―日本社会崩壊のモデル (中公文庫)作者: 小室直樹出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1991/02メディア: 文庫 クリック: 61回この商品を含むブログ (31件…

セラーズが示唆するもう一つの道

アメリカの哲学者セラーズは知覚の構造と言語の構造との違いを強調する。言語の構造と知覚の構造とが同じであるとするのは、論理実証主義などに代表される古典的な説である。ウィトゲンシュタインが「哲学探究」の最初でアウグスティヌスを引用しながら批判…

心の哲学に関する解説へのリンク

心の哲学・心の科学への十五分ツアー 河野哲也 http://www.jinbunkai.com/html/bun_news_syo.php?info_id=46 http://www.jinbunkai.com/html/bun_news_syo.php?info_id=47 http://www.jinbunkai.com/html/bun_news_syo.php?info_id=48 心の哲学について http…

セラーズ「経験論と心の哲学」第3部「見える」の論理 を解説してみる

「赤がある」と「赤が見える」と*1はどちらが根底となる命題なのだろうか。伝統的な哲学の議論では「赤が見える」が根底であり、「赤がある」はそこに存在が付与されるものであるとされた。しかし、セラーズはこれを否定する。「赤がある」こそが根底であり…

ジャン・ニコ賞

ジャン・ニコ講義セレクション http://www.keisoshobo.co.jp/series.htm#jeannicod 気になる本があったので調べていたら、こんな賞があることを始めて知った*1。私は認知科学と何年付き合っているんだか?…無知だ。ついでに過去の受賞者も調べてみた。 Jean …

サイバネティクス再来?

去年の終わりごろに意識と脳に関する本が何冊か出たが、中に目を通してみると似たようなことが話題になっているのに気がついた。以前ここで紹介した現象学者ロイド、進化心理学で有名なハンフリー、脳研究の大御所エーデルマン。みんな脳の再帰的ネットワー…

お久しぶりです

しばらく家を留守にしてて、ネットに接続しないでいました(その間にいろいろと対応できなくてすいませんでした。というかスパムコメント多すぎ)。そういう生活を送っていたら、つくづく(所詮は内輪ネタや独り言ばっかりな)ネットって不健全だなと感じて…

お知らせ

メールで指摘のありました左の認知科学リンクの誤り(Lakoffの項)を直しました。ご指摘ありがとうございました。他にも何かありましたら、遠慮なくご指摘ください、ただし、確認を頻繁にはしていないので、返答など遅れましたらそのときはすいません。 それ…

心の哲学の説明を試しに書いてみました

ネット上で心の哲学について調べていて、日本のウィキペデアの記述のひどさに呆れ、そこからリンクされている日本語の論文の説明にまずさを感じた(認知科学と人工知能は別でしょ…とか)ので、自分で心の哲学の説明を書く気になった(ネット上でデネットを消…