2006-01-01から1年間の記事一覧

認知言語学概観

認知意味論の原理 概念構造は身体化されている 意味構造は概念構造である 意味表象は百科事典的である(意味の辞書的定義との比較) 意味構築は概念化されている(それぞれの概念空間に対応している)

上の書評は一年以上前に書いてお蔵入りだったもの

after the 永井均 http://d.hatena.ne.jp/MonicaLewinsky/ 言語ゲームについてネット上で調べていたら見つけましたのでリンクしておきます。ちなみに、永井均の思考法はどこまで言っても分析哲学的なので、その辺りから突付けばボロは確かに出る(実際、私は…

永井均「これがニーチェだ」

誤解のないように始めに指摘しておこう。永井均は現代の日本では珍しい、本物の哲学者であるということだ。日本には哲学に関連した著作はたくさんある。にもかかわらず、哲学者と呼ばれるにふさわしい人物は少ない。たとえば、木田元は第一級のハイデガー研…

はてなキーワードの認知科学の項

はてなキーワードの認知科学の項*1にサガードの説明から短い引用の翻訳を載せてみました。まあ、その割に大した文章でもないのですが。ちなみに、英語のウィキペディアの認知科学の項には、ここで挙げられている学問分野以外に生物学も付け加えられている。…

私の進化心理学への不信の理由

社会生物学系の進化心理学を私が好きのなれない理由の一つとして、人間が人間を扱うときに生じる循環や再帰性に対して鈍感なせいがあるかもしれない。人間以外の生物を扱っている限りは客観的な観察者の立場を保てるかもしれないが、いざ人間を扱うとなると…

モジュールとコネクショニズムの問題とか

もらったトラックバック先の記事を見て思ったのだが、いまどき極端な「生まれか育ちか」の議論がありえないのは当たり前だろう(だからピンカーは間抜けに見える)。たとえば、「モジュールとコネクショニズム」の対立でもこれは決して「生得と経験」の対立…

クジラやイルカの進化

私はお世辞にもクジラやイルカについてくわしいとは言えないが、こんな記事(イルカやクジラの脳が大きくなったのは水温のため)を読んでしまうと、つい進化の過程をいろいろと勝手に想像してしまう。 クジラやイルカは系統的に分岐する前はまあまあ大きさの…

生物の種の問題と普遍論争

生物の種に関する問題は考えると切りがない。人間の普遍的概念への認識や人間の生得的能力の問題と関わっているので、私はそういうことを考える機会があった。(ネオ・ダーウィニズム(進化の総合説)から帰結するように)種が端的に存在しないのなら、種概…

ボツ記事候補だったけど、単なるメモだからいいや

東浩紀のしてる話「コンテンツ産業の開発業者化」はこのままでは抽象的で分かりにくいので私が勝手に翻訳してみる。 例えば、キャラクター商品ではそのキャラクター*1に人気(アテンション)がありさえすれば、素晴らしいアニメ作品のキャラクターであろうが…

歴史は繰り返す?

ウォルフレンの最新書ASIN:4047915262通して思ったのだが*1、今の日本で中国が世界の工場になったことで陥っている状態は、以前の日本が欧米に陥らせた状態と同じようなものだと思う(アメリカのジャパン・バッシングなんてあったね)。かつて日本の優れた自…

ジャッケンドフでブログ検索

本屋での翻訳の立ち読みだけでジャッケンドフ天才とか勝手に思ってるどうしようもない私は、しょうがないのでブログを検索。id:shokou5さんのとこにある翻訳はとりあえずお薦めですが、今回はそれ以外で。 Languages of the Mind http://languagefaculty.blo…

ピンカーの認知科学観

後で気になって、ピンカーの進化心理学擁護の本「人間の本性を考える」isbn:4140910100くってみた。あれは、前半の認知科学話は悪くないけど、後半はちょっとなぁと読んだ当時の感想として思った。改めて見ると、ピンカーの認知科学観ってけっこう偏ってる。…

「意識の探求」ASIN:4000050532

amazonの内容紹介には、訳者のホームページから「意識の探求」のサンプルをダウンロードできますとあるが、検索してもすぐには探し出せない。私がサイトを見つけ出したのでリンクしておきます。 Nao Tsuchiya’s pageのTranslation http://www.emotion.caltec…

長尾眞の記念講演

8/27日曜日の放送大学(http://www.u-air.ac.jp/cgi-bin/bangumi/viewProgram.cgi?today=20060821&vDay=%2B6&media=TV)で、日本の人工知能の第一人者の長尾眞の記念講演を見た。彼が過去にやった研究である顔画像処理と機械翻訳(自然言語処理)の紹介をし…

ネオ・ダーウィニズム(進化の総合説)について

最近思ったのだが、進化論を理解してもらうにはまずネオ・ダーウィニズム(進化の総合説)について知ってもらわないとしょうがない。試しにgoogle:ネオ ダーウィニズムで調べたら自分のブログのネオ・ダーウィニズム批判が上位に来るのにびっくりした(2006…

まだこのネタかよ

生物学系の本が読めねぇ、とか言いながらまたこのネタ。少しトラウマ状態かも。 はてなキーワードって社会生物学の項目の説明なかったんだね、初めて気づいた。進化生物学に至ってはキーワード自体がない。所詮はてなは文系の集まり?誰か書いてあげてよ!勘…

論争はコリゴリなので単なるリンク

ドーキンスのミーム論>と http://d.hatena.ne.jp/namdoog/20060824 狙っていたかのようなタイミングの記事です(偶然だろうが)。内容には突っ込みません。ただ、ミームの生成>に関してはルーマンの議論(「情熱としての愛」)が参考になると思う(ただし私…

疲れたのでたまには軽く更新

googleの検索で来た下さった方「マッカリー効果」は「マッカロー効果」の間違いと思います(一度こういうの書いてみたかったんだよね〜)。 この前のコメント論争のせいで生物学系の本が読めなくなってしまった。この程度で打たれ弱いな〜。こうなったら哲学…

さすがに最後の追記です

この話題は突込みが激しいな(しつこい自分も原因だが)。もらったコメントは生物学の専門知識のある方からなので感謝いたします(コメント欄が荒れなくてよかった)。カクレクマノミさんの理解方法は基本的に正しいと思います、とても参考になりました。た…

さらなる追記

不毛な生得-経験論争にコメントをもらい、一度すぐにコメントを返したのですが後で考え直して削除。所詮は生物学に詳しくない私は、しょうがないのでgoogle:進化 究極要因で検索。どうももらったコメントでの理解はまずいらしいと分かった(私は脈はあるかな…

前回の記事への追記

誤解を避けるために言っておきますが、私は進化心理学を批判してるのではありません(明らかに成果があったのは確か)。しかし、生得-経験論争における振り子が、過去には極端に経験の方に揺れていたのが、今では極端に生得の方に揺れている印象がぬぐいきれ…

不毛な生得-経験論争

最近、フェミニズム系ブログや進化心理学系ブログで生得-経験論争を目にすることが多かった。正直な感想は「不毛」、お互いに議論がすれ違ってお話にならない。進化心理学系の人はフェミニズム系の議論に自然主義的誤謬だのと批判することが多いが、私からす…

文化心理学の本の紹介

気がついたので紹介しておきます。放っとくと、文化心理学の本など誰も取り上げてくれませんですからね。それにしても、今年の夏は認知科学関連の翻訳書の出版が多いような。文化的営みとしての発達―個人、世代、コミュニティ作者: バーバラロゴフ,當眞千賀…

宮台真司のエリート主義

私自身は宮台真司のエリート主義(http://www.miyadai.com/index.php?itemid=383)には全面的には賛成できないけれど、言いたい事が分からなくもない。その点からあえて宮台真司を擁護してみよう。 資本主義や民主主義はその参加者に過剰な合理性を求める。(…

あまりに便利な脳解説サイト「脳の世界」

脳の世界:京都大学霊長類研究所・行動発現分野 http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/brain/brain/index.html 脳解説サイトとしては完璧だ。説明領域は広いし説明文は分かりやすいし。これを知らなかったのは不覚。 それにしてもここで紹介されてる作業記憶の実験…

↑上の記事について

けっこう前から書き終わっていた文章なのですが、古い翻訳から引用してるので公開をためらっていた物です。宮台サイトで(臨床)心理学関連の記事を読んで出しちゃおうと決めました(そればっか)。ちなみに、宮台サイトのこれの前回の記事を読んで思ったが…

ミーム概念への妥当な理解と脳科学の社会化

私はミームという概念に感心したことはない。何が納得いかないって、進化からの類推で考えると、何が伝えられて何が淘汰されるのかその単位がはっきりしない。進化論の場合は、遺伝子(ジーン)が子(社会生物学によれば親類も含む)に伝えられて(もちろん突然変…

「認知科学年表(増補版)」への追加

以下の著作を「認知科学年表(増補版):英語原典版つき」に付け加えてみました(ちなみに私自身は読んでません。他にもお勧めがあればお知らせください)。ピンカーやジャッケンドフは参考文献としてよく見かける初期の代表作を選んでみました(Millenium Proj…

日本の自殺の話、続報

養老孟司先生世代の脳は狂っている http://blog.livedoor.jp/kangaeru2001/archives/28977297.html 脳がおかしい云々の話はバカらしいので無視するにしても*1、統計データそのものは興味深い。団塊の世代前後はもともと自殺率が高いかもしれないのね。ただし…

どうでもいい情報

人類学と認知言語学との幸福な結びつきに追記を付け加える。プロフィールの最後におまけをつける。 最近、某有名ブロガーにブックマークされたせいで、このブログにしてはページビューが異様に上がり、古い記事にトラックバックも来た。トラックバック先で引…