2006-01-01から1年間の記事一覧

晩年のフーコーってさっぱり理解されないよな〜

歴史家としてのフーコー http://cruel.org/other/foucault.html フーコー批判の翻訳。こんなのを訳して公開しちゃうんだから山形さんってすごい。実はフーコーの歴史的資料の扱いがぞんざいなのは結構有名。それをついた議論としては見事。まぁ、そもそもフ…

ダートマス会議から半年

今年って人工知能が提唱されたダートマス会議から50年だったんだね、気づかなかった。なんだかコンピューター関連の有名人のインタビューが目に付くと思ったよ(あぁ、でもアラン・ケイは関係ないかな。マービン・ミンスキーのインタビュー(英語)ってのもあ…

↑上の記事について

実は、折を見て出そうと寝かせてあった記事です。宮台さんの最新記事「全体性の消失」を読んでしまったら、じゃあさっさと公開してしまおうと思った。今回の宮台さんの記事は異様に力の入った集大成的な文章ですね。最後までついていける人はどれ程いるのや…

資本主義の弁証法的な展開

今の日本じゃ若者が弱者だぁ、って議論が一部で見られるが、これはちょっと危険な議論だ。なぜならこれは「大人/若者」という旧態依然とした対立を前提としているからだ。図録▽自殺率の国際比較 http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2770.htmlを見れば分かるが…

下らないアフォーダンス批判

アフォーダンスが自由意志と関係しているから批判するという話があるらしいのをネット上で読んで、相変わらず日本は議論のレベルが低いなと思った。アフォーダンスは因果論とは無関係だし、そもそもギブソンは知覚の因果論に対して批判的だ。因果論とは無関…

蒼龍のメディア論的おしゃべり

Arational Agentの神経倫理学日記 2006年7月2日 http://members3.jcom.home.ne.jp/0129349201/ コメント欄でお知らせしてもらったのでリンクしときます。ここで紹介されているサイトの中でも、社会心理学からの解説である『メディアの影響』はとてもいいです…

日本は一次観察と二次観察とが乖離した不毛な空間

「サードオーダー」問題に関連する文章を書きました http://www.miyadai.com/index.php?itemid=365に関連させて…。分かりやすく言えば、一次(ファーストオーダー)の観察とは現実への観察であり、二次(セカンドオーダー)の観察とはその観察の仕方への観察…

フラーの科学論

これは、アメリカ哲学の職業的専門化の度合いが強い事と関係している。そしてこの専門主義ゆえに、哲学者は科学における同僚専門家(つまり科学者)の正当性を強化することに熱心なのである。イギリスとアメリカにおける心の哲学の営まれ方を比較してみよ。…

海外の認知科学者の有益な個人ページのリンク集

私のブラウザのお気に入りに入っていたサイトと新たに調べたサイトを合わせたリンク集です。単なる研究者の紹介サイト(結構多い)は除き、有益な情報や論文の入手ができるサイトだけにしてます。ただし、私が得意でない神経科学系のサイトは少ないです。以…

宮台サイトへのコメントメモ

以下の引用はすべて「国家を草刈り場とする各エージェントの権益争奪戦について」http://www.miyadai.com/index.php?itemid=363 から 日本の市民運動は「ノーマライゼーションの地獄」に鈍感なの。 ノーマライゼーション(normalization:辞書的には標準化、…

人類学と認知言語学との幸福な結びつき

Edwin Hutchins (in press) Material Anchors for Conceptual Blends http://hci.ucsd.edu/hutchins/vitae/Publication-links.htm Fauconnier, Gilles and Mark Turner. to appear.“Rethinking Metaphor.” http://cogsci.ucsd.edu/~faucon/publications.html…

研究データの解釈法

Hurleyが報告している研究結果は、なんというか、結構ショッキングなものだ。暴力ヴィデオ・ゲームやテレビでの暴力シーンの視聴は、子供だけではなく、青少年や(若い)大人の暴力的行動傾向を有意に高めるらしい。8歳の時点で暴力表現を好んで見ていた子供…

「脳を活かす」研究会発足記念一般講演会を読む

発起人に認知科学に関わる人物が多い「脳を活かす」研究会(安西さんまでいるよ)。この前久しぶりに行ったら更新されていた。 「脳を活かす」研究会 発足記念一般講演会 http://www.cns.atr.jp/nou-ikasu/transcript_200604.html いろいろあって面白い。一部…

トマセロ関連ブログの紹介、続編

指さし http://blog.goo.ne.jp/gibbon-yinoue/e/7ba396f51a86153dd7717b78278f71ca 前にもトマセロ関連でリンクしたブログです。共同注意について写真付で説明されてます。このブログの著者は理化学研の客員研究員になったそうです。おめでとうございます。 …

独り言

認知科学で一人学際な話をするのは飽きてきている。かといって前回みたいに社会評論をする気もあまりない(やっても虚しい)。まだ寝かせてある記事がいくつかあるのでそれを出すつもりでいます。

脳の研究法(心理学寄り)についてのメモ

臨床と実験(破壊、刺激、記録) 非侵襲的方法の特徴(isbn:4061534335) 「コンピュータ断層法(CT)」1970年代にイギリスのG.H.Hounsfieldが開発、X線画像とコンピュータによる画像解析を組み合せた 「磁気共鳴断層法(MRI)」電磁波をとらえる、造影…

現在の日本はすでに日本的ファシズムと等価な政治的スノビズムに陥っている

今の日本じゃ蛸壺化も棲み分けもすっかり進んで、国内の違った領域の人の間でコミュニケーションすることはありえないし不可能だしそもそもやる気がない。他者への想像力を欠いた利己的なネオリベとか、仮想の敵や問題を見つけ出しては必死に叩く自己満足な…

松沢哲郎「チンパンジー・マインド」からの引用

わたしがアメリカ留学中に師事していたプレマック先生が、あるときこう話してくれた。ピアジェはなぜ偉いかというと、子どもの認識の発達にかんする説明をしたから偉いのではない。子どもの認識の発達にかんする問いを出した。だから偉いという。 その後、ピ…

たまにはグチ

某保険会社の営業停止も国民年金の不正免除も問題の根源は同じだ。問題の源を解決することなく厳しいノルマだけを課してれば、こういう問題は出て当然だ(そういえば某金融業者の営業停止も同じ)。いい加減ネオリベ(自由放任主義)まじぃとか思えないのか…、思…

認知科学志向なロボット研究

私は田舎に住んでいるので普段は新刊を含めてろくな本を見ることが出来ない。最近ちょっとましな本屋でマトモな本を立ち読みできる機会があった。それでおもしろそうな本があったのでネットで調べてみた。脳・身体性・ロボット (インテリジェンス・ダイナミ…

プロトタイプを実体化すべきでない理由

前回の続きです。前回の記事を公開してから、やっぱりウィトゲンシュタインの家族的類似性についても書かないと納得できる説明にならないよなぁと思った。しょうがないので今回、手短に説明する。 なぜ家族は似ているのか。このとき、家族全員に共通の特徴(…

プロトタイプについて

リンク元からたどったらこんな記事がありました。「完璧な鳥」は存在するか。 http://d.hatena.ne.jp/tihara/20060524#p1です。一応私が質問に答えられるので答えておきましょう(コメント欄がないのでトラックバックで。内容の正否は自分でご確認のほどを。…

はてなのRSSリーダーの使い心地悪っ

上にリンクがあるRSSリーダーが思ったより使いにくい。勝手に日付順に並べてくれるわけじゃないし、更新頻度の違いすぎるブログを並べると表示のバランスが悪いし…。放っとけばましになるかと思ったらそうでもない。RSSリーダーって大量の情報を効率よく扱え…

心理学に理論が必要なわけ

認知言語学の構文法の考え方はこうだ。普遍文法的には、どんな動詞が文で使われていようと、その文は能動態にも受動態にも自由に変換できるはずだ。しかし、実際の使用では、文法的にはどちらも可能なはずなのに受身でしか使われない動詞があったりする。構…

トマセロの普遍文法批判

トマセロのホームページ(http://email.eva.mpg.de/~tomas/index.html)から。普遍文法批判の論文があるな(Tomasello, M. (2004). What kind of evidence could refute the UG hypothesis?)。短いから早速読んでみた。これは普遍文法(UG)の要約としても便利。…

認知革命の意義とはなんだったのか

現実観察から得た初期条件(周辺条件)をモデルに入力すると、一定の出力変数が得られて、それが現実観察から得られたデータに合致する場合に、モデルは「現実適合的」だと評価される。現実適合的なモデルは、現実の説明・予測・制御に用いることができる。 …

先読みニューロンの発見?

朝日新聞朝刊(06/5/19)から引用 将棋やチェスで必須の「先読み」をするときの脳の細胞レベルの活動を、東北大虫明元教授(生理学)のグループがサルの実験で突き止めた。大脳の前頭前野にある複数の細胞が一手ごとに対応しており、課題を見た瞬間に同時に活性…

認知科学関連ブログのRSSリーダーを公開

上にリンクがあるように、認知科学関連ブログのRSSリーダーを公開しました(http://r.hatena.ne.jp/deepbluedragon/)。厳選してあるので、日記や雑談ばかりのブログは除いてあります。たとえ有名ブログでも私から見てちょっとなぁ…と思うのも外してあります(…

トラックバックありがとう記念、動物認知研究は面白いよね

トラックバックありがとうございます(一応リンクもしときますhttp://blog.goo.ne.jp/shax2081/e/ca61d124a62e58a7055141c704e8abc1)。残念ながらまだトマセロの翻訳は読んでません。そのうち読みたいとは思っているので、こういう紹介は役に立ちます。一応ト…

日本での認知科学の学術プロジェクトによるサイトの紹介

どれも数年前からやってる学術プロジェクトなようだ。進化心理学関連の研究や話題ばっかりなのはやっぱり外国の流行に乗ってるってこと?。サイト内を良く探すといろいろな論文や資料のPDFがいっぱいある。ただし学術的なので素人には読みにくいことこの上な…