2006-01-01から1年間の記事一覧

小熊英二による記事「近年の日本のナショナリズムはポピュリズムだ」

朝日新聞朝刊(06/5/11)の小熊英二による「近年の日本のナショナリズムはポピュリズムに過ぎない」の記事に納得。近年の日本のナショナリストは天皇になど興味はなく、「サヨク」という仮想敵を作り上げて攻撃してるに過ぎないとの指摘はすごい。宮台さんの天…

CSSの勉強はめんどくさかったけど…

スタイルシートをいじってブログのデザインを変えてみました。うまく表示されないといった苦情があったらお知らせくださると幸いです。初めてなのでよく分からないですから。前々からブログのデザインは何とかしたいとは思っていたんですよね。 ちょっとタイ…

「モバイルコミュニケーション-携帯電話の会話分析-」

コンピュータや通信を利用した共同作業を研究するCSCW(Computer Supported Cooperative Work) を扱った章があるってことで、広義の認知科学に入るでしょう(サッチマンへの参照もあるし、最終章など認知研究そのものの紹介)。とはいえ、CSCWの注目株であるエ…

オンライン・テキストでの一からの勉強はかなりきついかと

初心者のための記号論(http://www.wind.sannet.ne.jp/masa-t/index.html)ってブックマークがバカみたいにたくさんついてるけど、これって全く知識のないやつが読んで理解できるのか?記号論や構造主義を勉強済みの私から見てもちょっと内容が濃すぎると思う…

ネット上にあった川人光男による小脳研究の解説、および脳科学の行方

川人光男、銅谷賢治、春野雅彦:ヒト知性の計算神経科学 第2回 小脳が獲得する内部モデル. http://www.hip.atr.co.jp/departments/Dept3/PDF/Iwanami2.pdf(PDFです:リンク元はMitsuo Kawato Publication List http://www.cns.atr.jp/%7Ekawato/pubjp.html) …

脳へのダイナミック・アプローチってどうなの?

RIKEN BSI NEWS No. 24 May 2004 脳磁図:非侵襲的手法で探る、ヒトの脳機能 http://www.brain.riken.go.jp/bsi-news/bsinews24/no24/special.html テレビなどのマスコミで紹介される脳科学にうんざりしてるときに、こういう日本でのマトモな研究を見るとほ…

最近のこのブログは軽い更新ばっかりだが

最新号の日経サイエンスで(あの脳科学の)茂木氏の対談を読んだ。相手はプリオン説に関する著作(ブルーバックス)を書いた人だ。以前にも書いたが、私の茂木氏への評価は低い。しかし、今回の対談では面白いことを言っている*1。最近の脳研究は専門分化が激し…

コメント欄では切りがないのでこっちに

うっ、id:killhiguchiさんは15年も前からトマセロ(の著作)とお付き合いしてたんですね。なんかすごい人に当たってしまった。私など最近になってやっとトマセロのことを知って、改めてみてみるといろいろな著作でトマセロの論文が参照されていることにやっと…

トマセロ関連のブログ記事の紹介

最近トマセロってどうなのって思って検索してみました。その途上でいろいろ見つけたので紹介します。 トマセロ関連のブログ記事 信号と記号は違う http://d.hatena.ne.jp/dtkame/20060330#p1 最近出版されたトマセロの翻訳からの引用つき。でもこの程度じゃ…

辞書の項目「プラグマティズム(pragmatism)」

…(2)理解の明白さを得るために次のような格率を適用することによって形而上学は大いに明らかにされる、という意見。「おそらく実際のふるまいを持っているはずの何かしらの効果を考慮すると、私たちは自分の概念作用の対象がその効果を持っていると思う。…

放送大学の最新講義の紹介

私のテレビは地上波しか映らないが、最近はどのテレビ番組もつまらないと感じることが多いので、放送大学にチャンネルを回すことがある(といっても夜しか見ないが)。そこで見た最新講義をちょっと面白いと思ったので紹介しておきます(私自身はこれからも見れ…

哲学・思想メモ、その他

分析哲学とは何か http://d.hatena.ne.jp/nuhsnuh/20060402#p3 分析哲学とフランス現代思想との簡単な特徴が列挙されて比較されてます。個々の例を挙げて反論もできますが、全体像としてはまぁまぁ納得でしょうか(ケチつけると切りがない)。こういうのって「…

認知科学の教育への応用に関する一考察

「eラーニングの土台:行動主義、認知主義、状況主義学習論とその統合」発表原稿(PDF) http://kogolab.jp/cgi/joyful/img/94.pdf (http://kogolab.jp/mt/) まず始めに言いたいことは、状況論はそのもとにかえって考えると学校教育への応用はできない、少…

ロルフ・デーゲン「フロイト先生のウソ」

題名からするとトンデモ本くさい(私もそう思っていた)。しかし、実は実証的な心理学研究に基づいて書かれたきちんとした著作。おそらく文庫で手に入る心理学本の中では最良(かつ唯一マトモ?)な著作です(新書ならマトモな心理学本はもっとたくさんある。ダン…

人の合理性はどこに存在するのか

始めに結論を書いてしまおう。人の合理性は理性の中にはない。人の合理性は抽象的な論理的判断の中にではなく、その場その場で行なう状況判断の中にこそある。だから、いくら待っても理性的な賢い民衆など現われることはない。だからといって、政治家やエリ…

認知科学史上の重要文献トップ10の紹介

ミレニアム・プロジェクトのトップ10の紹介 1:チョムスキー「文法の構造」(1957) 生成文法で有名。まさに認知科学という分野を作り上げた、といっても過言でないほどの画期的な理論。第一位は当然です。 2:マー「ヴィジョン」(1982) 網膜上の二次元を三次…

ベンヤミンとニーチェとの微妙な関係

ベンヤミン話を少しだけ。宮台真司はベンヤミンに限らず、いつも分かりやすい説明をしてくれるのに感心する(「尊敬する中平卓馬に言及した文章をアップします」 http://www.miyadai.com/index.php?itemid=336←これに比べて某文芸雑誌に連載の北田氏によるベ…

語のクオリア構造に関する情報、続報

"Models of Lexical Meaning" James Pustejovsky http://www.cs.brandeis.edu/~jamesp/projects/models.html Pustejovsky本人のホームページからクオリア構造の関連部分だけを翻訳。参考にどうぞ。 例えば、「本」は私たちが本について知っているすべてと結…

生成語彙論ってこんな理解でいいのかな

他ブログへトラックバックする記事(認知科学関連)。もともとはコメントとして書きましたが長くなったのでトラックバックに変更です。ちなみに生成文法の素人向け手抜き解説記事はただいま準備中。 概念構造は語彙に記載されているか(2)へのコメント http://d…

はてなの認知科学関連ブログ紹介その1

はてな内には実は認知科学関連のブログが結構あることに気が付く。ただし、ここでのようにタイトルからは内容が分からないのでなかなか気づかないが。認知科学リングでも作れば…、とも思うが私は面倒なのでやらない(ただでさえネット上の交流は少なくしてる…

他人の公開してるレジュメを勝手に使った姑息なエントリー

村山 航 (Murayama Kou) のWeb Site http://www4.ocn.ne.jp/~murakou/index.html 心理学の院生のホームページらしいです。便利な資料が一杯、ただし専門知識がないと読みにくいが。一般の人は「心理学のページ」のオススメ本紹介がお薦めです。俺はちょっと…

2chの認知系スレをネタにして暇つぶしなエントリー

認知心理学スレ http://zinbun.denpark.net/1003367476.html ちょっと古いが2chにしちゃ読めるスレですな。私は2chなど読まないが検索で出たんで見てみた。日本でネット上にはびこる下らんホームページやブログよりはよっぽどマトモ(たいてい突っ込む価値さ…

サッチマン「プランと状況的行為」とエスノメソドロジーの本質

皆川満寿美「ラディカル・リフレクシヴィティとエスノメソドロジー」 (http://e-lib.lib.musashi.ac.jp/Elib/S1/005/001.html)。ネット上で全文が読めることが信じられないくらい、エスノメソドロジーに関する論文としては素晴らしい。ただし、実際の分析で…

認知科学における哲学的問題の列挙

認知科学ではホッブスやデカルトからの西洋近代哲学の伝統とその批判が繰り返されている面がある。それを理解しないと安易な罠にはまることになる。

アフォーダンス関連の翻訳と引用から

まずは、ジェイムス・ギブソンの主著の一部を自分で翻訳(これでも意訳気味)してみました。 まとめ 媒体、物質、表面、対象、場所、他の動物はある動物に対するアフォーダンスを持っている。それらは、利益や危害を与えたり、生や死を与えたりする。これこ…

アフォーダンスと脳科学

だいたいまともな科学的思考の持ち主なら、アフォーダンス概念なんて安易に受け入れられるわけがない。私もアフォーダンスが生物学の概念というならまだ納得もいくが、すでに一流の有能な知覚心理学者が考え出したというあたりがさっぱり分からない。生物学…

コメント欄での論はとりあえず穏当に終了?

前回の記事のコメント合戦は泥仕合になることなく終わってよかった(自分に都合よく終わり?)。相手の方が礼儀正しい方だったのが功を奏したのか。有意義なコメントだったのにイチャモンつけてすいません。でも、結果的には読めるコメント群になっているよ…

何で日本って文化相対主義の肩を持つ人ばっかなの

科学的世界観のblog「世界内存在としての心」 http://nbsakurai.exblog.jp/3519170/ 河野哲也『 第五章 存在の具体性 ―― 世界内存在と認知 』よりの引用から。 P223 「心とは何であるか」と問うことは、「自分はいかなる存在か」と問うことと直接つなが…

新たな認知科学年表を作成してます

今現在、以前作った認知科学年表(http://d.hatena.ne.jp/deepbluedragon/20050729/p1)の増補版を英語原典版と共に作成している。主に参照しているのはThe Cognitive Science Millennium Project(http://www.cogsci.umn.edu/OLD/calendar/past_events/millenn…

日本の第一級の認知科学者、波多野誼余の死

Hiroaki Suzuki's Blog「波多野先生の思い出」 http://edhs.ri.aoyama.ac.jp/~susan/archives/2006/01/post_131.html 大津研のホームページ「波多野誼余夫先生を偲んで」 http://www.otsu.icl.keio.ac.jp/